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イミテーションミュートス  作者: 安東秀一
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映し出される記憶

?Side



ベノラとクリムは森の外へ出ると、叫び声がする方へたどり着くとそこにいたのはベノラと同じ身長ぐらいの少女と巨大な楕円形のトカゲだったのだ。


「誰か、誰か助けてください・・・・・・」

その巨大なトカゲは口を開け、その者へかぶり付こうとしたが、

「危ない!」

ベノラは頭で考えるより先に体が動きその少女を助けたのだ。やはり、あの体は頭で考えるよりも体を動かすような傾向があるようだ。

「大丈夫ですか!」

「キュッ?」

「は、はい・・・ありがとうございます」

「とりあえず、この場から逃げましょう!」

そう言うとベノラはそこの少女、個体名ユエルを連れその場から離れようとした。

しかし、「ギュラララー!!!」

そこのトカゲ、サラマンダーは口から火炎弾をベノラたちに向けて放った。

「!?」

ベノラは咄嗟に判断し火炎弾を避けようとした。だが、

「ぐあああ!!」

そこの少女ユエルを守り背中に火炎弾を受ける。

「あ・・・そんな・・・」

「・・・く、大丈夫です。これっぽっち何か・・・」

だが、サラマンダーはさらに火炎弾を放つ。

「ぎあああ!!」

ベノラがどんなに火傷を負ってもサラマンダーは何度も火炎弾を放つ。それでもベノラはその場を離れずそこの少女ユエルを護るのだ。

ふむ、そういう所はそっくりなようだな。

あの二人と。

「・・・もう、もうやめてください!!!私のことは良いですから!!!」

だがベノラはそれを否定する。

「駄目だ・・・・・・それはできないよ・・・私はこれを拒むことはできない」

「何でですか!!!」

「きっとそれは刻まれているんだ・・・・・・心に、魂に」

「何でですか!!!だって、赤の他人ですよ!!!逃げてくださいよ!!!」

「それだけは、出来ないんだ!!何故かは分からない・・・・・・だけど、言えることはある。」

「もう、目の前から逃げることは懲り懲りなんだと!!!」

そう言うと、その少女の前に立ち塞がった。

「護ってみせる。必ずだ。」

「っ・・・・・・」

だが、そんなことはお構い無しにサラマンダーはベノラに向けて今までとは違う攻撃を開始した。

それは火炎ブレス。一直線に、ただ真っすぐベノラに向けて。その大きさは火炎弾など屁でしかないと言わんばかりに。塵に帰すという勢いのままに、ベノラに向けて放たれた。

「・・・そんな、このままじゃ二人まとめて死んじゃう!!」

「・・・・・・くっ!」

その時、傍らにいたクリムがベノラの前に飛び出した。

「!!!クリム、危ない!・・・・・・えっ」

クリムはサラマンダーの方に向くと火炎ブレスを吸収していく。それが魔力の塊の放出だったからなのか、それを吸収していった。

「すごい!すごいですね、あなたのお友達!!」

「・・・あの?聞こえてますか?」

やはり、クリムは上手く誤魔化せているようだな。自分の存在を。

・・・さて、そろそろか。

「・・・・・・あ、ああああ。」

ベノラは火炎ブレスを間近に見たせいで何かを思い出しているようだ。それは故郷のことなのか、家族のことなのか。

「ああああ・・・・・・ぁあああああ!?!?」

「ちょっと!!!大丈夫ですか!!!」

その時、ベノラは誰よりも早く前進し、サラマンダーが気づかぬうちに目の前に現れた。「「!?」」

「ギュラ!!・・・」

「・・・・・・死ね。」

誰よりも早い動きでサラマンダーの手足をもぎ取り、ダルマ状態のサラマンダーを空に向けて投げた。

「えっ、今何が起こったの?」

「キュッッッ!!!」

少女は気づかず、クリムは気づき、空を見た。

ベノラは脚力で飛び上がり、小指だけを使いサラマンダーの体をX状に切り裂き、爆散した。

「え、何で空から爆発音が!?・・・まさか、サラマンダーが!?」

「キュ・・・・・・」

すると、ベノラは地面に降り立ち、クリムと少女に振り向いた。肌はうっすらと青くなり、憤怒の表情を浮かべた。

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