気泡
盛りに盛ったパテの中から
ぽっかりと現れた気泡の跡
丸く
斜めに
ぽつぽつと
たくさんの
一つの穴が
現れたんだ
削っても削っても
なくならない
大きくもならず
小さくもならず
握っていたサンドペーパーは
もう手持ち最後の一枚
どうしようか
埋めてしまおうか
見なかったふりをして
塗装してしまおうか
誰も気が付かない
微細な穴が僕をにらむ
ひとつといわず
ふたつといわず
空いたうつろな穴の奥で
何かが僕のことを見る
発狂しそうな
ドリルを捨てて
でも僕は
削るのをやめない
空いた穴を削るのは
いつだってやっぱり楽しい
へたっぴ。
ありがとうございました。