第七話
冒険者ランクは順調に上がっておりCランクを抜けて、Bランクにまで上がった。かなりスピードとしては速いほうらしい。未だ一回もクエスト失敗してないしな。今までのモンスターは、ほとんどどのモンスターも一撃だから失敗しようもない。
Bランクに上がると流石に討伐モンスターも変わってくる。オークの討伐、黒狼の討伐、ディアラスの討伐などなどである。オークは豚の頭を持つ人型のモンスターだ。黒狼は、黒い大型の狼のようなモンスターで、ディアラスは小型竜である。竜とはいっても、それほど大きくないし本当の竜とは全く強さが違う。
新たな敵がどれだけ強いのか少し楽しみだ。
最近は魔法だけでなく、武術の修行もしている。俺の魔法は身体能力強化である為、やはり元々の戦闘能力が高いほど効果が増すのだ。だから、魔法無しでも強いというのは重要な事なのである。なんだが、あまり魔法使いっぽくなくなってきてるのは少しあれだが。
俺は武術に関して、師匠に教えてもらっている。師匠の名前はライガ。元凄腕の冒険者でSランクのクエストを成功させていたらしい。今は冒険者を引退して、街に道場を開き弟子を育てている。武術の腕は超一流だ。
師匠によると俺は結構武術のセンスがいいらしい。嬉しいけど魔法使いとしては喜んでいいのかわからない。
ほかの弟子たちと組み手をすると、ほとんどの相手は簡単に圧倒することが出来る。
今日師匠に教えてもらうのは、移動術だ。移動術の名前は『空脚』というらしい。この移動術を身に着けることで、今までよりも無駄なく速く移動できるようになるらしい。足音などもしなくなるようだ。また、瞬発的に長距離を移動するダッシュ力も身に着くようだ。
早速師匠から空脚のやり方とコツを教えてもらう。ふむ、何となくわかった気がする。確かに無駄のない動きだ。俺も見様見真似でとりあえず真似してみる。
「おー! もう、結構できてるぞ! やっぱりお前は呑み込みが早いな」
「本当ですか! ありがとうございます」
師匠から褒めてもらうことが出来た。やはり嬉しいものだ。
そこから後は、ひたすら『空脚』を練習し続けた。
今日の練習だけでも結構ものにできた気がする。自主練習は欠かさずに行おう。
今日受けたクエストはオーク3匹の討伐だ。
オークの住処に向かう。
オークを発見した。流石に今までの敵に比べるとサイズも大きいし、そこそこ強そうだ。
身体能力強化を使って俺はオークに立ち向かった。
身体能力強化の効果は絶大で、やはりオーバーキルになってしまった。かなり抑えたつもりだったのだが……。
仕方ないので、身体能力強化を解いて普通に素手で戦うことにした。
普通に素手で戦ってもそれほどきつくなかった。『空脚』のおかげで敵の攻撃が当たることもなく終始圧倒することが出来た。半端な敵では攻撃のほうに身体能力強化を使うとオーバーキルになってしまうので、移動のほうに集中して使うやりかたを身に着けようと思った。