表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クオリア—あゆむとヤクザの約束—  作者: Tatsuya.Miwakami
25/30

25 停止

 歩の主治医の伊達は目を疑った。

さっきまで活発な波形を描いていた歩の脳波計が、ピタリと静まったからだ。

伊達は、あり得ないといった顔で脳波計のモニターを凝視する。

南美も真も、伊達の異変に気付く。

「先生・・・」

「突然・・・いつもの脳波に、戻りました・・・」

伊達は、腑に落ちない面持ちで首をひねる。

南美が再び歩に顔を寄せ呼びかける。

「あゆむ、あゆむ・・・」


 コロボが黒田のボウガンで撃ち抜かれた時、歩は一瞬にして意識の世界に引き戻された。そこは深く暗い漆黒の闇に覆われ、深海のように光を一切通さない世界だ。

歩は意識を戻すまで、この深海のような意識の底を漂っていた。

コロボに意識を移していた歩は突然寸断され、交通事故の時のように出口のない意識の底に、再び落ちてしまったのだ。

もはや今の歩には、南美の声も真の声も届いていなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ