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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千五百八十九 沙奈子編 「話すことがある」

ふと時計を見ると、もう横になってから二時間が経っていた。『時間が経つのも忘れて』ってまさにこのことなんだろうなって思う。


それだけ僕たちには、話すことがあるんだ。そしてまだまだ尽きる感じがしない。沙奈子も眠そうじゃなかった。


彼女はゴールデンウイーク中だから夜更かししても大丈夫だけど、僕も本当は休みのはずなんだけど、いつものように玲緒奈れおなの相手をしていている分、ペース配分を振り分けてるから明日も、ううん、もう日付が変わってるから『今日』か、にも仕事をする予定にしてる。


だけど、それは融通が利くことだから、今はこうやって話をするのを優先したい。


僕にとって『仕事』は、もちろん生きていくために必要だからしてることではあるけど、同時に家族とこうして一緒に暮らしていけるためにしてることでもあるから、あくまで家族が優先なんだ。そして今の会社は、それができる会社でもある。それを紹介してくれた鷲崎わしざきさんには本当に感謝しかない。ある意味では『恩人』だと思う。


知り合ったばかりの頃はただ一方的に好意を寄せられるのが負担で避けようともしてしまったけど、あの頃の鷲崎さんだとそうだったけど、成り行き上とはいえ結人ゆうとくんと一緒に暮らすことになってそれだけいろいろな経験を積んだ彼女と再会してからは、以前ほどの負担を感じなくなっていた。これは僕自身が人生経験を積んだことで成長したというのもあったのかもしれないけど、同時に、鷲崎さんもきっと成長したんだと思う。


そうして段階を経て改めて出逢ったことで、お互いにいい影響を与え合えるようになったんだろうなって思えるんだ。だって以前は、僕が大学を卒業して就職して、さらに彼女も大学を卒業して就職して、それで自然と距離が離れていったからね。お互いに関係を保つ努力もできなかったししなかった。あの頃はその程度の関係だったんだよ。


そんな鷲崎さんも、今では同じアパートの住人だった喜緑きみどりさんと懇意にしてる。結婚を前提にしたお付き合いをしてるそうだ。ただ、結人くんの話によれば、鷲崎さんが年上であること、結人くんを育ててること、等々の事情で喜緑さんの方が少し気負ってしまっていている部分もあるらしいね。鷲崎さんとしては今すぐにでも結婚していいと思ってくれてるらしいのに、喜緑さんの方が、


『彼女に釣り合う男にならなくちゃ』


みたいに考えてしまってるらしいんだ。これは、喜緑さんの両親が鷲崎さんとの交際についていい顔をしてないのも影響してるみたいで。



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