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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千五百七十六 沙奈子編 「正当な批判だ」

そうだ。玲那を攻撃してた人らもそうだし、英田あいださんのお子さんの事故についても、加害者だけでなく遺族であるはずの英田さんまで『批判』と称して攻撃されてた。


『親が目を離すからだ』


『子供をちゃんと守ってないからだ』


みたいに。


それこそ本当に示し合わせたみたいに『批判』の大合唱だった。しかも、自分のその行為を批判されたら、


『正当な批判だ』


『批判を批判するな』


とか言って、今度は自分が被害者ぶるんだ。


英田さんがお子さんとどう接していたのかは、僕には分からない。仮にも会社の同僚として顔を見知ってる程度には関わりのある僕でさえ分からないのに、それこそ事故が起こるまでは存在すら知らなかった人らが、英田さん親子の何を知ってるって言うの?。


たとえ英田さんに何か落ち度があったんだとしても、『我が子を事故で亡くす』という大変な『報い』をすでに受けているのに、その上で攻撃する必要がどこにあるって言うの?。


「ネットで、普段は別に関わりがあるわけでもない相手を攻撃してる人らがいるけど、どうしてそんなことをしなきゃいけないんだろうってお父さんはすごく思う。お父さんはそんなことをしようとは思わない。事件とか見てたら『言いたいこと』は出てきてしまったりするけど、それは家の中でみんなと話し合えば済むことだと思うんだよ。なにも被害者や遺族の耳に入ったり目に留まったりする形で発信する必要はないよね」


僕が言うと、


「だよね。私もそう思う。なんであんなことしなきゃいけないんだろ……。千早ちはやだってしてないし、ヒロや結人ゆうともしてないよ。一真かずまだって。篠原さんはちょっとそういうことしてたみたいだけど」


沙奈子が応える。応えた上で、


「でも千早も言ってたんだよ。『私も沙奈やヒロと出逢ってなかったら、小父さんにたくさん話を聞いてもらえてなかったら、同じことしてた気がする』って。篠原さんも、『みんなと出逢えてからは前ほどそういうのしなくなったな。そんな暇ないし』だって」


とも。これには僕も、


「そうだね。『そんな暇ない』よね。お父さんだってそんな暇があったらこうやって沙奈子と話をしてたい。その中で自分の思ったことを言えばいいと思うんだ。テレビのニュースとか見てる時に、話してるみたいにさ」


って応えて。


「ホントにそれだと思う。言いたいことがあるんだったらネットじゃなくて私がしてるみたいにお父さんやお母さんやお姉ちゃんや千早たちと話してるみたいにすればいいのにって思う……」


沙奈子のその言葉も、ネットで発信したらきっと『批判の的』になるだろうな。



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