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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千五百五十一 沙奈子編 「限度を超えて」

『働くこと自体が趣味』


そんなことを言ったら変に思う人が多いと思う。しかも僕は、


『子育てが趣味みたいなもの』


という部分もあるから、それこそ、


『理解できない』


『意味が分からない』


って感じる人は少なくないだろうな。


だけど、『趣味』って割とそういう部分があるよね。それをしてる当人は楽しくてしてても、興味のない人には何が楽しいのかまったく理解できないし意味が分からないし興味も持てないというのは、珍しくもないんじゃないかな。


『そんな大変なことを楽しいと思えるのがおかしい』


と言う人もいるだろうけど、『登山』とかはそれこそ、やってる当人でさえ、


『もう嫌だ。やめたい。二度と山なんか登らない』


みたいに思ってしまうことがあるらしいというのは、聞いたことがあるんだけどな。でも、結局はまた山に登りたくなってしまう。やってる時はきつくてつらくて、しかも登山を終えて帰ってきたら体もボロボロで、なんてことがあっても、やっぱりまた山に登るんだよね?。


好きだから。


そうせずにいられないから。


僕にとっての仕事や子育てもそうなんだよ。


『家族を養うため』


『子供を養育するのは親の義務』


なんてのは、仕事や子育てをする理由の一つでしかないんだよ。それが理由のすべてじゃないんだ。楽しいから、好きだから、それをせずにいられないから、やるんだ。


ここまでずっと沙奈子のことを見てきて、彼女にもそういう面がありそうだなというのは感じた。仕事や育児を趣味と考えるかどうかはまだ分からなくても、


『自分がそうしたいと思ったことについては、大変でもつらくてもやらずにはいられない』


という一面があるように感じるんだ。だから、一日も休まずにドレス作りだってできてしまう。


そんな彼女が頑張ったら、どこまでするだろうね。


僕も、『頑張りすぎないようにしなきゃ』と自分に言い聞かせてるからまだ抑えられてるけど、沙奈子や絵里奈や玲那や玲緒奈のためだったら、自分の限度を超えて頑張ってしまうところがある気がする。


実際、世の中にはそういう人もいるよね?。『自分が頑張らなきゃ』と考えて、そして頑張れてしまうから、本人も気付かないうちに限界を超えてしまって、命まで落としてしまう人が。そうなる前に逃げ出してしまえばよかったのに、そうしなかった人が。


そんな人たちの中には、『逃げ出せなかった』んじゃなくて、『逃げようという気にならなかった』人もいるんじゃないかな。本人的には『まだ大丈夫。やれる』と思ってしまって。



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