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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千五百五十 沙奈子編 「仕事が趣味」

『人間としてとても褒められたものじゃない人の実子』


で、


『その人の遺伝子を受け継いでる』


沙奈子が、自分の直接の妹というわけでもない玲緒奈れおなのことをこんなに慮ることができてる事実があれば、『SANA』の仕事がどうなるかなんて、そんなに大きなことじゃないと思えるよ。


もちろん、関係先には決して小さくない影響があるのは分かってる。だけど、事業が上手くいかなくなって倒産する企業だって別に珍しくないんだから、そういうリスクはどこでもいつでもつきまとってるのも事実だよね。


実際、『新型コロナウイルス感染症』の件で、『SANA』と関わりのあった企業も、いくつか倒産の憂き目にあったらしい。それを星谷ひかりたにさんの機転で、影響が最小限になるようにしてもらえただけで。


それについても、倒産していたのは『SANA』だったかもしれない。


だから、


『倒産させないために沙奈子に過剰な無理を強いる』


こともしたくないんだ。


なにしろ彼女は我慢強くて責任感もあるから、頑張ってもらおうとしたらきっと際限なく頑張ってしまうと思う。


そんなことは望んでない。


彼女の実の父親である僕の兄は、沙奈子とは正反対で、少し大変だと感じただけで投げ出してしまうような人だった。


だから、兄の場合は『頑張って』もらわないといけないとしても、沙奈子の場合は言わなくても頑張ってしまうと思う。


と言うか、高校に通いながら毎日何時間もドレス作りをして、『SANA』の商品を生み出し続けてるんだよ。沙奈子自身がそれを『苦役』のようには感じてないだけで、『SANA』が設立されてから一日も休んでないんだ。


つまり、捉え方によっては彼女はすでに何百連勤もしてるとも言えるだろうな。本人がドレス作りを楽しんでるから苦にならないというだけでね。


僕も、


『働くこと自体が趣味』


みたいなところがあるから、休まずに働き続けることは苦にならない。


『趣味を仕事にした』


って形じゃなくて、


『仕事が趣味』


みたいな感じかな。特に今の会社ではその実感があるんだよ。


沙奈子も、『趣味を仕事にした』とも言えるだろうけど、彼女も僕に似て『働くこと自体が趣味』なところがある気がする。


でも、だからこそ本人も気付かないうちに無理をすることがあると思うんだ。


そういうのは周りの人が気を付けなきゃいけないんじゃないかなって。


特に今回みたいな場合は、山下典膳やまもとてんぜんさんにはなんの落ち度もなくて何の責任もないから、沙奈子は余計に気にしてしまうんじゃないかな。



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