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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千五百 沙奈子編 「子育てが趣味」

五月二日。火曜日。晴れ。




『子育てが趣味』


こんな言い方をすると変に思う人も多いかもしれないけど、僕の沙奈子や玲緒奈れおなとの関りを端的に表現するとそれが一番近いかなって感じるんだ。


他に上手く言い表せる表現が思い付かないんだよ。


沙奈子がまだ小学生だった頃には『義務感』というのが強かった気がするけど、玲那の事件があった頃にはそれどころじゃなかったというのもあるけど、玲緒奈も迎えた今では、僕は今の状況を楽しんでるんだ。楽しめてるんだ。


玲緒奈が身勝手に振る舞うことも、我儘を口にすることも、朝一番に起きて僕を山道に見立てて自動車のおもちゃで遊ぶことも、大変に感じることもあっても、それも含めて楽しいんだよ。お金がかかることも、自分が楽しめてることに対して費やしてる分には、『惜しい』とかいう気にもまったくならないから。


こういう感じをどう表現するかと考えた時に、『趣味』が一番近いって感じるんだよ。


もちろん、親として子供を養育する時には『義務』が伴うから、厳密には趣味とはまったく違うものだというのは僕も分かってる。趣味というのは義務でやることでもないしね。ただ、沙奈子や玲緒奈に対する親としての僕の義務については、『義務感』というものが付きまとわないんだ。『義務でやってるという意識』が僕にはない。どこまでも、


『やりたいからやってる』


だけなんだ。


これってやっぱり、趣味を楽しんでる感覚に通づるものがあるんじゃないかな。


『友達親子』という言葉もあって、僕自身はその言葉には違和感も覚えつつ、


『友達のように近くて対等な関係』


という意味では、なるほどと思わないでもなかったり。親である自分と子供との関係性について他に上手くはまる言葉が見付からないから『友達』と仮称してるだけの人もいるかもしれない。それなら分かるよ。


僕が子供を養育するのを『趣味』と表現すればそれに対して違和感を覚える人もいて当然だと思う。僕はそのことを否定したいわけじゃないんだ。他に近い表現を思い付かないから『趣味』と言ってるだけだから、僕自身、


『必ずしも正確じゃないよね』


とは思ってる。自覚してる。その上で、敢えて『趣味』と表現してるんだ。


それくらい、僕にとっては、大変な部分やお金がかかるという部分もひっくるめて、『楽しい』ってことなんだ。


それに共感できない人がいてもいいと思う。誰もが僕と同じように感じるべきだなんて考えてない。そもそも『趣味』だって、好きな人以外には理解できないものだったりもするよね。



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