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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千四百九十七 沙奈子編 「参考になる在り方」

四月二十九日。土曜日。曇りのち雨。




遠足の受け止め方一つでも、とても仲がいい沙奈子たちでさえ、一人一人違ってたりする。


『人間はそれぞれ違ってて、まったく同じ人はいない』


というのをすごく感じるよ。


『何をそんな当たり前のことを』


って言うかもしれないけど、でもその当たり前のことを無視する人って少なくないよね?。『誰もが同じことを同じようにできて当たり前』みたいに考えてる人もいるよね?。だから『できない人』を馬鹿にするんだよね?。


だけど、僕はこうして延々とあれこれ考え続けることが苦にならないけど、むしろ楽しかったりもするけど、それを苦痛に感じる人もいるんだよね?。僕と同じようにできるのが当たり前と言われたりするのは嫌なんだよね?。


それがもう、『みんながみんな同じってわけじゃない』のを物語ってるのに、みんなと同じようにできないことを馬鹿にしたりっていう心理は、なんなんだろう?。


ましてや親が子供の前で、『みんなと同じようにできないことを馬鹿にする』なんて振る舞いをしてたら子供にどんな影響が出るのか、どうして考えることができないんだろう。僕に考えられることが考えられないんだよ?。『みんな同じようにできるのが当たり前』なら、誰もが僕と同じことができないとおかしいはずなんだけどな。


でも、実際はそうじゃない。僕にできることができない人はいくらでもいる。そして、僕にできないことができる人もいくらでもいる。僕はその現実こそを『当たり前』として受け止めることができるようになった。


『自分にできることでもできない人がいる』


それを当たり前として受け止められるから、そんなことでは苛々したりしないんだ。感情的になったりもしない。玲緒奈れおなが僕と同じようにできなくても腹も立たないし、焦る必要も感じない。それはもちろん、沙奈子に対してもなんだ。


確かに、できてくれた方がありがたいことはたくさんあるとしても、でも、『できない』こと自体は別に罪でもなんでもないよね。


沙奈子が誰にでも愛想よくするなんてのも、できてくれた方がいろいろ便利だとしても、役に立つ場合があるとしても、できないならできないなりにやりようはあるからね。


山下典膳やまもとてんぜんさんだって、そういう、『できて当たり前』と世間では思われがちなことができなかったそうだ。その所為でいろいろとやりにくいこともあったらしいけど、その山下典膳やまもとてんぜんさんを慕って、山下やましたさんと一緒に支えてくれてる人もいる。


それは、沙奈子にとっても参考になる在り方じゃないかな。



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