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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千四百七十八 沙奈子編 「周囲の人の」

四月十日。月曜日。晴れ。




今日から沙奈子たちが通う学校も新年度。高校二年生になった。しかも沙奈子自身は来月には誕生日を迎え、十七歳になる。


十七歳……。十七歳だよ。沙奈子がもう十七歳なんだ。なんかすごいよね。


だけど同時に、前にも触れたとおり、


『彼女がようやく人間らしい生き方ができるようになってからまだたった七年しか経ってない』


というのも事実。


だったら、そんな沙奈子に、『普通の家庭』に育った子と同じものを求めるのは、期待するのは、おかしいと思う。


思うから、僕はそれを求めないし期待しない。ただただ沙奈子は沙奈子でいてくれればいいんだよ。


いくら『デザイナーSANA』として母親や姉よりも高給を得るようになったとしても、それはあくまで『沙奈子のままで』いてくれたことの結果でしかないと思う。


ただただ心の望むままに好きなことをしていたらそうなったっていうだけで。


もちろん、そんな彼女の才能を活かしてくれたのは絵里奈であり玲那であり、なにより星谷ひかりたにさんだっていうのも間違いないのも事実だよね。


そうだ。どんなにすごい才能を持ってたって、それを活かせる状況がなければただの『宝の持ち腐れ』じゃないかな。そして『それを活かせる状況』を作れるのは、本人以外の人だっていうのがほとんどなんじゃないかな。沙奈子の場合だって、絵里奈や玲那や星谷さんがいなければ、僕だけだったら、それこそただの『子供の遊び』のままで終わってた気しかしない。僕じゃ、『ネットフリマで売る』ということさえ思い付かなかったに違いない。たとえ思い付いても、そこまで本格的にやろうとは思わなかった気がする。


才能が活かされるというのも、そういう様々な人や要因が複雑に絡み合ってのもののはずなんだ。決して、


『才能さえあれば成功できる』


なんて単純な話じゃない。才能を持った人が大変な努力をしたって、常に大活躍できるわけじゃないのは、たくさんの実例を見てても分かると思うんだよ。周囲の人の協力と理解があってこそのものが多いんじゃないかな。


だから感謝してる。僕自身が感謝の気持ちを表して、それが沙奈子にとっての手本になってる実感がある。だから沙奈子も、自分の周りの人に感謝することが自然にできてると感じるんだ。


『どんな風にするのが感謝してることになるのか?』


みたいに難しく考えなくても、僕がやってるのを真似すればそれで感謝してることになるから、やりやすいんじゃないかな。そしてそれは沙奈子だけじゃなく、千早ちはやちゃんたちにとってもそうだと思う。



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