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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千四百六十八 沙奈子編 「指導されてきた人」

三月三十一日。金曜日。晴れ。




沙奈子が実際に働き出して、それでいつか後輩とか部下とかを持つようになった時に備えて、先輩として上司としてどう接すればいいのかについても、僕は、親として社会人の先輩として教えていかなきゃと思ってる。


僕は部下は持ったことはないけど、それなりに勤めていたから、当然、『後輩』はいたし、今の職場でも僕の後に入ってきた人は何人かいる。


だけど僕は、その人たちに対して横柄に振る舞おうとは思わないよ。


だって僕はたまたまその人たちより先に入社していただけで、別に何か特別な存在でもなんでもないから。その人たちを僕が雇ってるわけでもないから。『同じ職場で働いているだけの勤め人』でしかないから。


そんな僕が偉そうにしたり横柄な態度をとったりすることの意味が分からない。


そういうことをする人には、


『金をもらってるんだから甘えるな!』


みたいなことを言う人もいるけど、給与や賃金を支払っているのは自分じゃないよね?。自分も相手と同じように給与や賃金をもらって働いているだけの立場だよね?。


それでそんな言い方をするなんて、『虎の威を借る狐』ってものじゃないかな。僕にはそうとしか思えないんだけどな。


だから沙奈子がそんなことをしなくても済むように、そんなことを当たり前だと思ってしまわないように、僕も絵里奈も玲那も、言い方には気を付けなきゃ。


怒鳴ったり罵倒したり嫌味を言ったり暴力を振るったりする人って、自分がそうされてきたから、自分がそれをできる立場になったら同じようにしていいと考えるというのもあるだろうからね。


もちろん、『自分がそうされてきたから』というのは他人の所為にしてるだけだとは思うけど、人間だからついついそんな風に思ってしまうこともあるだろうから、最初からそんな言い訳を与えないようにすることも大事なんじゃないかな。


『怒鳴ったり罵倒したり嫌味を言ったり暴力を振るったりしなきゃ仕事をしない人』


というのは、『SANA』ではそもそも雇わないようにしなきゃと、絵里奈も考えてる。職場でそんなことが行われていたら、雰囲気も悪くなるし、『怒鳴られて罵倒されて嫌味を言われて暴力を振るわれて指導されてきた人が同じことをするようになっていくかもしれないからね。


そんなことが当たり前とか伝統とか、とても好ましいこととは思えないから。


ましてや、職場でそんな風にされたストレスを、家に帰ってから家族に八つ当たりすることで晴らそうなんて。



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