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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千四百三十二 沙奈子編 「メイドケーキ屋」

二月二十三日。木曜日。晴れ。




今日は祝日。だから沙奈子たちは朝から一階で人生部としての活動だ。ビデオ通話の画面の中で、厨房の掃除と消毒作業をしてる彼女の姿は、すっかり、


『ケーキ屋のスタッフの一人』


って感じかもしれない。いや、文化祭の時に作ったエプロンドレスを『人生部としての制服』的に着てるから、『メイド喫茶のスタッフ』と言った方が見た目にはピンと来るかもだけど。


これについて千早ちはやちゃんは、


「いっそ、ケーキ屋もこの格好でやろうかな。『メイドケーキ屋!』なんちゃって♡」


って言ったりもしてる。


すると沙奈子は、


「楽しそう」


と口にするんだけど、結人ゆうとくんが、


「いや、それじゃなんか客層的に違うのが集まらね?」


だって。


すると一真かずまくんと篠原さんも、


「確かに、メイド目当てで集まるのが多そうだ」


「そうなると逆に若い女の子とか小さい子供を連れた人とか入りにくくなったりしないかな」


的なことを。


だけど大希ひろきくんは、


「でも、文化祭の時は、メイド服着てるのの周りに集まってたのは女子ばっかりだったけどな」


と発言して。これには結人くんも、


「まあ、そりゃそうだったけどよ」


反発はしない。その上で、


「でも、うちの学校の文化祭は外の客はほとんど来ないだろ?。だから一般向けのオープンなケーキ屋となったら分からないぜ?」


とも。


なるほど彼の言うことももっともだ。それでも大希くんは、


「そうかもしれないけど、女子も割とこういうの好きなの多いと思うんだけどな」


さらにそう口にする。


すると篠原さんも、


「言われてみればそうだよね。私もこういうの好きだし」


自分のメイド服と言うかエプロンドレスの裾を摘まんで持ち上げつつ言って。


「まあ、それもそうか。でも、やっぱりちょっとアレなのも集まりそうな気はする」


一真くんはなおも慎重だ。


僕自身としては、あまりそういうのよく分からないというのもありつつ、イメージだけで決めつけてしまうのはちょっとどうかなと思ったりもしつつ、懸念としては共感できなくもなかった。


秋嶋あきしまさんたちのことを思い浮かべても、この手のものはなるほど好きそうだなとは思いながらも、彼らは彼らでわきまえようとしてくれてるというのは実感してる。ただ同時に、一部にはそうじゃない人もいるんだろうなと感じるのも事実かな。


玲那も、


「ま~、聖地とかに迷惑掛けてるのとかもいるのは事実だしね」


苦笑いだ。彼女の言うとおり、マナーの悪いのがいて問題になったりする事実があるのも目を瞑ってちゃいけないと思う。思うんだけど、『マナーの悪い客』というのはどこにでもいるからね。



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