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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
2410/2601

二千四百十 沙奈子編 「モラルの低下が」

二月一日。水曜日。晴れのち曇り。




正直なところ、僕としては、


『最近はモラルの低下が著しい』


という意見についてはあまりピンとこない。だって、昔から、


『ファミレスのドリンクバーやサラダバーを、注文してないのに利用する大人』


みたいなモラルのない行動をする人は少なくなかったはずだけどな。僕が知ってる限りでも、


『いい、いい、取ってこい』


とか、僕の両親と同年代くらいの人が、一緒にいた子供に対して言ってたりしたんだよ?。大人が、


『代金も払ってない商品を勝手に食べていい』


って、子供に教えてたんだ。だったら、その子供が大人になって同じことをしててなんの不思議があるんだろう?。それを『良くないことだ』と考えられるようになって実際にわきまえられるようになるというのも、何らかの『きっかけ』があってこそだと思うし、そのきっかけがなければそのまま自分の親や祖父母がやってたことを『親や祖父母もやってたから』でやる人がいても当たり前だと思うけどな。


だからこそ僕は、沙奈子や玲緒奈の親である僕こそが『わきまえた振る舞い』を手本として示す必要があると思うし、親である僕がそうしてたら玲緒奈だって『それが当たり前』だと思うようになるんじゃないのかな。


『親に反発して悪いことするようになる子供もいる!』


とか言う人もいるんだろうけど、じゃあ、その『悪いこと』はどうやって学んだの?。子供に対して『生殺与奪の権』さえ握ってたはずの親の影響力を上回るような形で。何より、『親に反発しなきゃいけない』のはなぜ?。イチコさんも大希ひろきくんも、そこまで強く反発せずに済んでたし、『反発せずに清んでた理由』も分かる気がする。


イチコさんと大希くんの父親である山仁やまひとさんも、決して『完璧な人』じゃないけど、


『少なくとも子供目線で見ても強く反発しなきゃいけない理由がない』


のは分かるんだけどな。


奥さんを亡くして男手一つで子供二人を育ててきた山仁さんだから、至らない点があったんだろうなっていうのは、客観的に見ても感じるよ。


『料理は上手じゃない』


『片付けも上手じゃない』


という点だけでも、世間からは『駄目な親』のレッテルを貼られる可能性が高いものだと思う。家の中だってお世辞にも『整理整頓が完璧にされてて綺麗』って言えるようなものじゃなかったのは僕も知ってる。


でも、『だからこそ』なんだよ。山仁さんは自分が完璧じゃないことを承知してるから偉そうにしなかった。偉そうにせずに、『人として丁寧に』イチコさんや大希くんに接することを心掛けてた。


それをイチコさんも大希くんも学び取っただけなんだって分かる。



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