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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千四百八 沙奈子編 「気持ちの切り替えが」

一月三十日。月曜日。晴れ。




昨日も夕方から雪が少し降った上に、歩道とかはガッチガチに凍っていたみたいだ。それもあって、絵里奈と玲那は電車通勤してるし、イチコさんと田上たのうえさんには在宅勤務を続けてもらってる。


だけどイチコさんが、


「家で仕事してると気持ちの切り替えが難しい」


って口にしたりしたらしい。加えて田上さんは、


「私も、母親がまた急に来て、『あんた学校サボってんの!?』とか言ってきて、ゲンナリしましたよ」


だって。在宅勤務についても、僕はすごく助かってるけど、人によってそれぞれ受け取り方や背景が違うから、一律で『どちらが正しい』とは決められないものだっていうのを改めて感じた。だからそういう部分も考慮に入れて選択できるような形にしていければいいんだろうな。


何より、どう頑張っても在宅勤務にできない仕事だってあるしね。玲那は発送担当だけど、これをもし、通販サイトとかを利用して代理で発送してもらったりするようになっても、結局は現場で実際の品物を発送するための業務にあたってる人は在宅ではできないわけで。


こういう、『それぞれ違う』ということを忘れちゃいけないと思うんだ。交通法規の話にしても、緊急車両が赤色灯を回してサイレンを鳴らしながら緊急走行をする時には信号を守らなくてもいいというのも、


『それをしなきゃいけないという事情を認めるから』


だろうから。


ただこれ自体、影響が特に大きかったり危険が伴うそれについては、やっぱり個人の勝手な判断で決めるのは駄目なんだろうなって感じる。そんなことを認めてたらそれこそ無法状態になってしまうだろうし。


『自分の判断で決めていいこと』『自分の判断で勝手に決めるとよくないこと』というのも、きちんとわきまえないといけないと思うんだ。


自分を大人だと思うなら。


僕はそれを実際の自分の振る舞いで沙奈子や玲緒奈れおなに示していきたいと思う。


それと同時に、今の玲緒奈にはまだ十分にそういうのが理解できないというのもやっぱりわきまえていたい。これもまぎれもない『現実』だからね。


とにかく、今回の大雪で改めてあれこれ考えさせられた。玲那の事件のことばかり考えてそれに囚われて他のことを考えなくなってしまうというのもまずいだろうし。


沙奈子が近々、僕の扶養から外れて自分の力で自分の人生を作り上げていけるようになるからこそ、しっかりとそういうことについても学び取ってほしい。そのためには僕が手本を示さなきゃいけないと思うんだ。そうすることで学び取っていけると思うんだ。



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