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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千三百九十五 SANA編 「無意識の中に蓄積」

一月十七日。火曜日。曇り。


昨日の夕方くらいからまた冷え込んできた。




二歳になった玲緒奈れおなだけど、いわゆる『魔の二歳児』というのはまったく感じない。我が強くて『こうだ』と思ったことは基本的に譲ろうとしないのは元々だったしね。それを僕たちがきちんと受け止めようとしてるからか、そんなに感情的になる必要がないみたいなんだよ。


それに、たまにすごく小さかった頃のことを、ほんの少しとはいえ覚えてる人もいるって聞く。だからほとんど思い出せないだけでこの頃の記憶自体はそれこそしっかりと残ってるんじゃないかなって気がするんだ。だとしたら、子供だからって侮っていい加減な接し方をしていたら、それが無意識の中に蓄積していって、親がやってる、


『相手を馬鹿にして見下して嘲って蔑む振る舞い』


を身に付けていってしまうんじゃないのかな?。加えて、親が自分を馬鹿にして見下して嘲って蔑んでるのを感じたら、それがどんどん蓄積していって信頼が失われていってやがて『反抗期』という形で吹き出しちゃうんじゃないのかな。


イチコさんや大希ひろきくんを見てるとその実感がすごくある。イチコさんがそれこそ反抗期らしい反抗期を迎えなかったのも、大希くんが登校拒否気味になってしまったり『お父さんって子育て下手だよね』みたいに言ってしまったりという程度の反抗期で済んだのも、結局は、


『強く反抗する必要がなかった』


『イチコさんや大希くんの信頼を損ねるような振る舞いをほとんどしてこなかった』


というだけの話だと感じる。


生まれたばかりの頃の子供にとって親はそれこそ自分の生殺与奪の権さえ握ってる『絶対者』だと思う。親こそが『世界そのもの』で、『世界の代表』だと思うんだ。玲緒奈から僕や絵里奈がどう見えてるのかな?って考えたらその実感しかないんだよ。だから幼いうちは親に依存するしかないし、信頼するしかない。なのにその親の方がどんどん子供からの信頼を裏切っていくことで、権威も失墜するし敬う気持ちも保てない。『大人になったらパパと結婚する』『ママと結婚する』みたいなことを言ってくれてたのが、口もきいてくれなくなったり、『うるせえ!』みたいに罵倒したりするようになったりってだけじゃないのかな。


『イジメはイジメられる側に原因がある』


なんてことを口にするなら、


『親が子供に反抗されるのは親の側に原因がある』


というのも認めないとおかしいよね。


『親は子供を養育してやってるだろ!』


みたいにキレるかもだけど、親が子供を養育するのは、自分の勝手な行いの後始末でしかないはずだけどな。最低限それをやってようやく評価のスタートラインに立てるだけだと僕は実感してる。



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