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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千三百八十四 SANA編 「それを守る意味」

一月六日。金曜日。晴れ。




結人ゆうとくんからクリスマスのプレゼントとしてもらったキーホルダーを両親にフリマサイトで売られてしまってショックを受けた琴美ことみちゃんだったけど、結人くんが持ってた方のを改めてもらうと、落ち着いたみたいだった。それは限定カラーのものじゃなかった。でも、彼女にとっては『結人くんからもらったもの』というのが重要で、プレミアがどうとかいうのは関係なかったんだ。


僕は、『法律やルールさえ守っていればいい』『法律やルールは常に正しい』と言いたいわけじゃない。子供がプレゼントとしてもらった大切なものを勝手に売ってしまっても罪に問えないような法律が正しいと思ってるわけでもないしね。もっとも、親が子供の持ち物を売ってしまうことを確実に規制する法律なんて果たして作れるのかどうかは、法律の専門家じゃない僕には分からないし、印象だけで言うならできそうにないなというのも正直なところなんだ。


子供が成人して独立してたらさすがに勝手なことはできないとしても、未成年で、親の扶養に入ってる間はそれこそ『親の監督権』や『養育にお金が必要』だとかを盾に取られたらどうにもできないんだろうな。


それも分かってる。法律やルールが常に守ってくれるわけじゃないことも。


だけど、法律やルールというのはなにかきっかけがあってできたものが多いんじゃないかな?。自転車のヘルメット着装が努力義務になったりとか、交通区分が厳格に適用されるようになっていくとかも、事故が多かったり悪質な運転が多かったりしたからじゃないのかな。


そういう経緯でできていった法律やルールでさえも自分の勝手な解釈で無視していいと考えてるような人が、法律で明文化されていないような『常識』とか『良識』を本当に守れるの?。たくさんの犠牲者が出ても飲酒運転がなくならないのはなぜ?。法律で禁じられてる以上に、実際にいくつもの凄惨な事故が起こっているのになぜ?。『自分だけは大丈夫』『自分だけは事故を起こさない』と考えてるからそんなことができるんじゃないの?。その人たちが思う『常識』とか『良識』って何なんだろうね……。


だから改めて言うけど、法律やルールを守ることが目的じゃないんだ。『法律やルールを守ろうと考えられる精神的な余裕』や『自分が法律やルールを無視することでどんな影響があるのかを考えられる想像力』が大事だと思ってるんだよ。それを忘れたら今度は『正義を掲げて暴力をふるう』みたいなことが起こるだろうからね。


現にそういうことが起こってるはずだよね。特に今の世の中では。


『決められたことを守る』のが目的になってしまってて、『それを守る意味』が蔑ろになってる気がする。



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