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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千三百七十八 SANA編 「疑義が生じる」

十二月三十一日。土曜日。晴れ。




園児に対する虐待で逮捕された保育士のうちの二人が処分保留で釈放されたらしいね。ということは、していた行為そのものがそこまで悪質じゃなかったと判断されたということかな。


この辺りは、詳しい状況や証拠を見られる立場にない僕があれこれ詮索しても仕方ないから、司法がそう判断したのなら『そういうものだ』として受け止めるしかないと思ってる。そして『処分保留で釈放』されたのならこれ以上、当人に対してはあれこれ言う必要もないと感じるし、そもそも僕は『行為』そのものを批判したいだけで個人について責めたいわけじゃないんだ。


『疑義が生じるような行いをしたのは思慮が足りなかったんだろうな』


と思うだけで、それ以上じゃないんだよ。そういう失敗は誰にでもあるだろうからね。


事実、僕だって、沙奈子が一人でお風呂に入れないからってことでずっと一緒に入ってたりしたのは、これはあくまで沙奈子個人のケースについて僕が必要と判断したから疑義を抱かれる可能性も承知の上でしていただけだ。推奨するつもりはまったくないし、ましてや僕がそうしていたのを理由に、子供が嫌がってるのに一緒に入ろうとするなんてのは言語道断だと思う。


ただいずれこれも明文化される形で禁止されたりすることもあるかもしれないね。だけど、悪意を詭弁で正当化してそれをしようとしてる人を取り締まるにはやむを得ないのかなとは感じる。もしそうなった時には、『一緒に入る』という形じゃなくて何か他のやり方を考えなきゃいけないんだろうな。たとえば、ドアの前でずっと待ってて常に声を掛けるみたいな?。


とにかく、僕がしていたことについても、『性的虐待』として咎められずに済んだのは運がよかっただけのような気もする。そういう部分についても『綱渡りだった』って思うんだよ。こんなこと、無責任に推奨できない。


それこそ他の誰かの人生そのものを滅茶苦茶にしかねないし。


だからこそ、『信号なんて律儀に守る必要はない』とか公言する人の無責任さが理解できないんだ。それを真に受けた人が大変な事故に遭っても責任なんか取らないだろうしね。思ってるだけなら勝手だとしても、それで自分が痛い目を見たとしても当人の問題かもしれなくても、推奨するようなことはおかしいとしか感じないな。


そして、園児への虐待を疑われた保育士が処分保留で釈放されたからって体罰が許されたと考えるのもおかしいよね。あくまで行為の内容を精査した結果、そこまで悪質じゃないと判断されただけなんだろうから。


それをわきまえてないと『ちゃんと考えてる』とは言えないと思うんだ。



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