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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千三百七十五 SANA編 「改修をしよう」

十二月二十八日。水曜日。晴れ。




中学生までの子供がいる世帯に、また十万円の一時給付金が支払われた。だけど今回のは、『中学生までの子供がいる世帯』だけ。経済対策としてはすごく中途半端なものだと思う。なにしろ、前回の一時金も多くは貯蓄に回ってしまって経済対策にはならなかったという話も聞くし。


確かに沙奈子も、本人に渡した十万円はそのまま貯金してしまったそうだ。今回、沙奈子はもう高校生だから関係ないけど、玲緒奈れおなに対して支給された。だからその十万円を使って、『ウォール・リビング』の改修をしようと思う。まだ玲緒奈自身はお金の使い方を理解してないから、彼女のために使うということで。


もしかするとこれも、


『子供のための金を親が使い込んでる!』


と言えなくもないのかもしれないけど、今までの僕の言説から見てそう考える人もいるかもしれないけど、そう捉えられること自体は仕方ないのかな。でも、僕は別に玲緒奈のためにお金を使うことを、生活が破綻するような形でない限りは躊躇おうとは思わないんだ。


そうして、絵里奈や玲那とも話し合って検討して、階段の方に勝手に行ってしまわないようにするための『ベビーゲート』と、風呂場やベランダに勝手に出られないようにするための『鍵』と、万が一、玲緒奈がベビーゲートさえ乗り越えて勝手に階段の方に行ってしまって転落したりした場合に少しでもダメージを軽減できればと考えて、階段のステップに貼り付けるタイプのクッションと、階段下の床に敷くクッションも購入することにした。


これについても『過保護だ』と言う人もいるだろうな。だけど、クッションを敷いててもきっと痛いものは痛いと思う。それに玲緒奈はもうすでに、『転んだら痛い』『体がぶつかったら痛い』ことは知ってるからね。この上、そこまで痛い思いをする必要はないんじゃないかな。


『経験』っていうのはあくまで『生きていてこそ』意味があるものなんじゃないの?。死んでしまったら経験もなにもないよね?。それに対処する手間を惜しむ言い訳に『痛みを知る』というのを使ってるんだとしたらただの卑怯だとしか僕は思わない。


これも、保険とかに入るのと同じだよ。あくまでただの『備え』だ。ここまでしたって痛い思いをすることはある。だって散歩してる時にでも、これまで何度も転んだりしたから。そういう経験はちゃんとしてきてる。だけど取り返しのつかないことにならないように今も『子供用ハーネス』は使ってる。それで実際にヒヤリとする事態を回避できてる。子供用ハーネスを使うリスクについても、あくまで『正しい使い方をしなくちゃかえって危険なこともある』というだけの話だと実感したよ。



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