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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千三百七十四 SANA編 「ダブルスタンダード」

十二月二十七日。火曜日。晴れ。




沙奈子は、僕の前では裸になることも下着姿になることもぜんぜん平気みたいだけど、だからといって大希ひろきくんや結人ゆうとくんや一真かずまくんの前でだらしない恰好をしてるかと言えば、実はそうじゃない。すごく気にしてるわけでもないのも事実でありつつ、下着が見えるような格好をするのが平気ってわけでもないんだ。


もっとも、下着の上にさらに短いスパッツを履いてるけどね。千早ちはやちゃんみたいにスラックスにしようとまでは思わなかったそうだけど、同時に『スカートが好き』というわけでもなくて、ただ単に、


「この方が落ち着くから」


というだけの話でしかなかった。沙奈子は今の時点ではまだまだ性的な感覚が発達してないみたいだ。それが異性への関心の低さにも繋がってる気はする。


でも僕はそれについては焦ってない。異性への関心があってもなくても、彼女は人を人として接することができてるから。人を人として敬うことができてるから。千早ちゃんのことも大希くんのことも結人くんのことも一真くんのことも琴美ちゃんのことも篠原さんのこともね。性別云々以前に人間だって分かってくれてるんだよ。


それができてれば僕は十分だと思ってる。結婚も出産も、『そうしたい』と思える相手とだけすればいい。そうしたいと思える相手に出逢えなかったら結婚も出産もしなくていい。『孫の顔を見せろ』とか言うつもりもないし、『親の老後の面倒を見ろ』とも言うつもりはないんだ。すると玲那が、


「いや、野生の動物とかで親の老後の面倒見るようなのがどんだけいんの?って話だよね。浮気とか不倫とか暴力とかの話になると『本能だから』とか言い出すクセに、野生の動物がほとんどしないような『親の老後の面倒を見る』なんてことになると今度は『人間は他の動物とは違うから』とか言い出すんだよ?。こんなダブルスタンダード、笑うしかないでしょ」


って言った。


これについても僕も共感しかない。僕の両親に至っては僕を人間扱いしなかったクセに、人間として自分たちの老後の面倒を僕に見させようなんて考えてたんだとしたら、本当に不快でしかない。


だから僕は、沙奈子や玲緒奈れおなに自分の老後の面倒を見てもらおうとは思ってないんだ。あくまで『仕事』として相応の対価を払ってプロにお願いしようと思ってる。そして同時に、プロにお願いするにしても、『自分は客だぞ!』『金を払ってるんだぞ!』って形で横暴な態度を取らないようにしなくちゃと思ってる。


その上で、もし、沙奈子や玲緒奈が僕や絵里奈の力になりたいと思ってくれるんなら、それは嬉しいけどね。



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