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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千三百七十三 SANA編 「一人でお風呂」

十二月二十六日。月曜日。晴れ。




僕はもう誕生日を祝ってもらう必要は感じてない。だって自分が生きていることを、沙奈子や絵里奈や玲那に毎日祝ってもらってるみたいなものだから。受け入れてもらえてるみたいなものだから。その実感があると、誕生日だからって特別扱いしなきゃいけないものなのかな?って気がするんだ。


もちろんこれは僕個人の考えではあるけど、絵里奈も玲那も、


「確かに、今はもう誕生日を特別に感じることはありませんね」


「ま、三十過ぎたからってのもあるけどさ。でも、どっちにしてもあんま拘らなくなったなあ」


って言ってくれてる。しかも沙奈子も、


「パーティをしてくれると嬉しいけど、なくても平気かな」


だって。普段、自分が生まれてきたことを喜んでもらえてる実感がなければそれだけ誕生日に祝ってもらえるのが嬉しいってのがあるような気がする。子供の間は単純に楽しげな雰囲気が嬉しいというのもあるんだろうけどさ。そういう意味じゃ沙奈子はあんまり賑やかなのは得意じゃないからね。僕も同じだ。だからそれもあるんだと思う。


その一方で、玲緒奈れおなはまだまだパーティという特別な催しそのものが楽しいというのもあるだろうから、昨日も、千早ちはやちゃんたちが帰ってから、二階に家族全員で集まって、改めてささやかにクリスマスパーティを行った。ツリーは、最近、クリスマスが近付くごとに飾ってた、百均で買ったあれこれを組み合わせて作ったものを飾ってね。それでも、玲緒奈は、


「おーっ!。おほーっ!!」


って興奮しきりだ。チカチカと瞬くイルミネーションがすごく面白いみたいで。


しかも、もう口に入れたりってことがなくなったから、手の届くところに飾ってあげると、ライト一つ一つを指でつついて、


「いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」


と声を出して数えていってたりした。そんな彼女はもう、数字は百まで数えられる。というのも、実はお風呂に入ってる時には、一緒に百まで数えてるんだ。ちなみに玲緒奈をお風呂に入れるのは引き続き僕の役目になってる。玲緒奈にとっては僕と一緒に入るのが当たり前みたいでね。


ああ、『一緒にお風呂』で思い出したけど、実は沙奈子ももう一人でお風呂に入れるようになってるんだよ。高校に上がってからもしばらくは絵里奈や玲那と一緒に入ってたんだけど、


「一人で入ってみる」


って言いだして、それでたまにそうやって一人で入るようになって、それがだんだん増えていって、今じゃもうずっと一人で入ってるそうだ。


ただ、今でも僕の前で裸になることも下着姿でいることもぜんぜん平気らしいけどね。僕がまったく平然としてるから彼女も気にならないみたいだ。



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