二千三百五十七 SANA編 「一括りにして」
十二月十日。土曜日。晴れ。
「ネット見ててもさ、千晶姉えと似たようなケースの話があったりするんだけど、そこで必ず出てくるのが、『だから女はクソ』って言ってるのなんだよね。だから女ってカテゴリで一括りにするのは勘弁しろっての」
千早ちゃんが朝からそうボやいてた。確かに僕も、『女性』ということで一括りにして毛嫌いしてる人がいるらしいというのには違和感しかない。と言うか、そんなことをしてる男性とは関わりたくないな。
だって、女性というカテゴリで一括りにして『だから女は』みたいな言い方をしてるってことは、沙奈子や絵里奈や玲那や玲緒奈のことを馬鹿にしたり見下したりしてるのと同じだからね。そんな人と関わり合いになりたいとは思わないよ。
そう考えると、それを言ってるような人たちは、『友人』が大切に想ってる女性がいたとしても馬鹿にしたり見下したりしてるってことだよね?。そんな人と友人でいたいと思う人はそんなにいるのかな?。すごく疑問だ。
「ま、それについては女性側も同じだよね。男性ってだけで毛嫌いしてる人もいるけど、私はそんな人らとは友達になりたいとは思わないよ。男性ってだけでパパちゃんのことを馬鹿にするとかマジでムカつく」
玲那もそう言ってた。
本当にそういうことだと感じる。なにか異性に嫌な思いをさせられたのかもしれないけど、それはあくまで個人の問題であって、主語を大きくするのは筋違いだと僕も思う。ましてや自分がモテないからってそれを恨んでだったりしたら、『そんなだからモテないんじゃないの?』としか思わない。女性とか男性とか関係なく信頼できないよ。
『性的な下心があるから女性に優しくできる』みたいな話でもそうだけど、それを言ってる人が沙奈子や絵里奈や玲那や玲緒奈に対して優しくしてたらそれは性的な下心があるから優しくするってことだよね?。どうしたらそんな人を信頼できるの?。僕は別に千早ちゃんや星谷さんやイチコさんや波多野さんや田上さんや鷲崎さんに対して性的な下心があるから優しくしてるわけじゃないよ?。
女性をひとまとめにして毛嫌いしてる人も、女性に優しくできるのは性的な下心があるからと考えてる人も、僕は信頼できないし親しくもなりたくない。それをやめろとは言わないけど、関わりたくないんだ。本当にそういう人らは自分の友人が大切に想ってる女性のことをどう見てるんだろう?。ものすごく疑問だよ。
もしかしたら単純に『友達がいない』のかもしれないけどね。だからそんなことを言ってられるのかもしれないなと感じる。




