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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千三百五十一 SANA編 「子供を作るため」

十二月四日。日曜日。晴れ。




昨日も沙奈子たちは土曜授業の後で水族館に行ってた。引率してた玲那曰く、


「自粛疲れなんだろうね。かなり賑わってたよ。一時いっときすごく空いてたけどさ」


とのことだった。確かに『もういい加減にしてほしい』という空気はあると思う。だけど僕たちは、今回の『新型コロナウイルス感染症』のための感染予防対策が、陣型コロナウイルスには正直なところ十分に効果を発揮してるとは言い難いとしても、少なくともインフルエンザとかには有効なんだなって感じたから、今後も続けていこうと思ってる。マスクについても、


「暑い頃はさすがにきつかったですけど、空気が乾燥してくると逆に喉を守ることにもなりますからね。楽ですよ。寒さ除けにもなりますし」


絵里奈が言うように、僕も喉がイガイガしなくなって助かってる。だから、


『マスクを外そう!』


とか言われても、なんかそんな気になれないんだ。少なくとも外ではね。家の中では以前からずっとしてないし。


玲緒奈れおなについては、まだ散歩として外に出るくらいだからというのもあって、マスクは形だけだ。そんなにちゃんとは着けさせてない。みんながマスクしてるから真似したがるんだよ。


「れおなも!」


って言ってね。だから、形だけ着けてもらってる。決して嫌がってるのに無理に着けさせてるわけじゃない。本人が真似したがるんだ。


「カッコいいよ」


と言ってあげたら、


「うひひ♡」


みたいに嬉しそうに笑うしさ。それでいいんじゃないかな。


沙奈子たちもマスクを着けるのが当たり前になってて、別に嫌がってもいない。加えて千早ちはやちゃんの『ケーキ屋のシミュレーション』のこともあって消毒についても徹底してるし。これも、『新型コロナウイルス感染症』のことが終わってもちゃんと習慣として続けようということになってるんだ。飲食関係はそれこそそういう部分を疎かにするのは自分の首を絞める行為だからね。実際、それを疎かにして食中毒とかを出して廃業なんていう話もよく聞くし。


千晶ちあきさんの一件についても、今はまだ正直なところ引きずってる部分もありつつ、いつまでも囚われているわけにもいかない。それについて本当に向き合わないといけないのはあくまで千晶さん自身であって千早ちゃんじゃないし、ましてや僕たちでもない。千晶さんのことを責めるつもりもない。責める立場にもない。


その一方で、千早ちゃんは、


「私は、あいつみたいにはならない。赤ちゃんはちゃんと育てるために生む。そうじゃなかったらセックスとかしない」


と言ってた。


これについては、沙奈子も大希ひろきくんも結人ゆうとくんも一真かずまくんも同意見だった。


篠原さんだけは、


「子供を作るためだけにすることじゃないと思う……」


とは言ってたけどね。



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