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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千三百五十 SANA編 「ガス抜きができる」

十二月三日。土曜日。晴れ。




今日はとても寒い。いよいよ冬本番だって感じる。当然か。もう十二月だから。


ところで、『新型コロナウイルスのさらに新しい変異種』として『オミクロン株』というのが確認されたけど、『感染力は強いものの毒性は低い可能性がある』みたいな話が出てるらしいね。


ウイルスというのは変異を重ねるごとに病理性が下がっていく傾向があるとも聞いたし、新型コロナウイルスも、このまま本当に『普通の風邪』へと変化していくってことなのかな。


それならありがたいんだけどなあ。でも、まだ油断はしないでおこう。


一方で、『新型コロナウイルス感染症』の件でもそうだけど、ただただ自分の感情を攻撃的に吐き出すことをしたい人の多さに戦慄する。けれどそれは、今に始まったことじゃないのも分かってる。


玲那の事件の時にも、その現実を嫌というほど味わった。


『言論の自由』を盾にして、詳しい事情も分からずに知らずに見ず知らずの誰かを死ぬまで追い詰めようとする人がいかに多いかってね。


だからこそ僕たちは、思ったこと感じたこと憤ったこと悲しかったこと苦しかったことを、自分たちの間で吐き出すようにしようと思うんだ。千晶ちあきさんの件にしても、僕自身、自分でも思ってる以上に精神的な影響を受けてたんだと改めて感じる。そんな状態で自制もせずにネットとかで思ったことをそのままに言葉を選ばすに発信してたら、きっと誰かを攻撃する形になってたんじゃないかな。


ネットだけじゃなく、学校でも職場でも、そうやって自分の鬱憤を他の誰かにぶつけることで楽になろうと考えてる人がいるから嫌な思いもするし、息苦しさや生きづらさを感じるんじゃないかな。


そうして、鬱憤を晴らそうとしたことで逆にまた嫌な目に遭うきっかけを作ったりするんじゃないかな。だって自分だけが一方的に鬱憤を吐き出すことができるわけじゃないんだから。


それが嫌だから、僕たちはネットでも学校でも職場でも誰かに対して鬱憤をぶつけることを避けようと思うんだよ。そのために、自分たちの間で思ってることを打ち明けて吐き出してってしようと思ってるんだ。


ネットとかで極端な意見を発信して共感を得ようとしてる人も、どうしてそんなことをするんだろうね?。身近に自分の言葉に耳を傾けてくれる人がいないから?。沙奈子も千早ちはやちゃんも大希ひろきくんも結人ゆうとくんも、そして今は一真かずまくんも、そんなことはしないでいられてるんだ。人生部の活動の中で正直な気持ちを吐き出して、ネットとかで発信したら炎上しそうなことでも敢えて口にして、ガス抜きをしてる。ガス抜きができる場所でもあるんだよ。



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