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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千三百四十八 SANA編 「どうしてこんな」

十二月一日。木曜日。曇り。




「ホントに大変だったね、千早ちはや


今日は波多野さんはバイトが休みだっていうのもあって、ビデオ通話でやり取りしてた。その中で千晶ちあきさんの妊娠と堕胎についての話も出て、改めて千早ちゃんを労わってくれる。


「まったくだよ。しかも反省もしてないんだよ、あいつ。なんか新しい彼氏見付けたみたいでさ」


吐き捨てるように言う千早ちゃんの背中を、沙奈子と篠原さんが撫でてた。


だからそういう点では心配はしてないものの、千晶さんのことを『あいつ』と呼ばずにいられない状態なのは、まだ少し心配だな。すると波多野さんも、


「ああ、まったくだよ。うちのバカ兄貴みたいに本人が何か犯罪をやらかしたわけじゃないからまだしもだとは思うけど、私も自分の姉とかだったらひっぱたいてるかもしれない。なんでそう我慢ができないんだろうね」


うんうんと頷きながら言った。今は千晶さんのことを『あいつ』呼ばわりせずにいられない千早ちゃんに寄り添うのが優先されるって考えてくれてるみたいだ。


『自分の姉をあいつ呼ばわりとかやめろ』


と言ったところで今の状態じゃ納得できるはずもないのは僕も分かる。とにかく千早ちゃんの精神的なケアが大事だって感じるよ。そこが落ち着いてくれば、千早ちゃんはわきまえてくれるってね。


その点、波多野さんの場合は、お兄さんのやったことはそれこそ重大な犯罪だから、今でも『バカ兄貴』呼ばわりになってしまうのも無理はないだろうな。しかも、一切反省してる様子がないらしいし。


さすがにもう報道もされなくなったから世間的には忘れられてる印象もありつつ、波多野さんのお父さんはいまだに立ち直れてなくて、家の中はゴミ屋敷一歩手前状態だって。星谷ひかりたにさんが派遣してくれているヘルパーさんのおかげでかろうじて踏みとどまってる状態だけど、それがなかったらもうゴミで埋まってただろうって。なにしろお父さん自身にはもう『片付ける』という意思がまったくなくなってしまったらしくて。


お兄さんが自分のしたことをきちんと悔いて罪を償って立ち直ろうという姿勢を示してくれればもしかしたらそれがきっかけになるかもしれないけど、それすらないからね。気持ちを切り替えるきっかけがまったく得られない状態なんだろうな。


『性』にまつわるあれこれについても、僕たちの周りでは『痛々しい事例』に事欠かない。玲那が受けた被害を筆頭として。それに加えて波多野さんのお兄さんの事件。琴美ことみちゃんの両親がどうやら琴美ちゃんが使ってた下着を売ってたらしいという話。そして今回の千晶さんの妊娠と堕胎。


どうしてこんなことが起こるんだろうね……。



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