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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千三百三十八 SANA編 「本質の部分で」

十一月二十一日。月曜日。曇り時々雨。




改めて思う。今回の千晶ちあきさんのように、『育てられる気がしないから』という理由で堕胎ができる以上は、子供を生むのはどんなに言い訳をしても『親の勝手』だし、生むという決断をしたのならそれは親自身の責任だって。


そして親が子供に承諾を取ることなく勝手に生むことを決めた以上は、子供を養育するのは親自身の行いの『後始末』でしかないってことを。


なのに、『育ててやってる』とか言って子供に恩を押し売りしようとする親がいる事実が本当に情けない。『自分の決断に責任を負うこともできないの?』としか思わない。自分の行いに対する後始末でしかない『養育』を盾にして子供を自分の思うままに操ろうとか、『人間としての矜持はないの?』としか思わないんだよ。


自分の行いに対して自分で責任を負えるからこそ『大人だ』と自称できるんじゃないの?。


自分の行いに対して自分で責任を負おうとしない親の姿が子供からはどう見えるのか、考えることもできないの?。


そんなだから子供に信頼も尊敬もしてもらえないんじゃないの?。


『七人もの人を死なせた殺人犯として死刑になった元死刑囚』の『孫』として生きることになるのを分かっていてイチコさんや大希ひろきくんを受け入れる覚悟をした山仁やまひとさんでさえ、大希くんから、


『お父さんって子育て下手だよね』


と言われるくらいなんだから、自分の行いに対して責任を負おうとしない親の姿を子供がどう感じるかなんて、『火を見るより明らか』ってものなんじゃないかな。


山仁さんは、自分がイチコさんや大希くんを迎えて育ててきたことについて『育ててやってる』なんて思ってないよ。


それは、僕も同じ。玲緒奈れおなに生まれてきてもらって彼女を養育してることについては僕自身の行いの『後始末』でしかないから、それで恩を売る気なんて欠片もない。恩を売れるなんて思ってない。


なのにいまだに、『育ててやってる』と思ってる親が多いんだね。どうしていい歳をした大人が現実を受け止められないんだろう。


『子供に対して事前に承諾をもらった事実はない』


という現実を。そんな当たり前で揺るがしようもない現実と向き合うこともできないような大人がどんなに偉そうなことを言ってても、


『口先だけだよね』


としか思えないんだ。その人がどんなに立派な功績を残してても、肩書を持ってても、社会的地位を持っててもね。人間という生き物の本質の部分で責任から逃げようとしてる以上は、『偉い』だなんて思えないよ。


『すごい』とは思うけど。



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