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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千二百九十二 SANA編 「三股してる」

十月六日。木曜日。曇り。




沙奈子たちが高校に進学して半年。毎日楽しそうに通えてる様子にホッとする。千早ちはやちゃんは学校でもたくさん友達ができたけど、大希ひろきくんも親しくしてるクラスメイトとかはいるけど、沙奈子と結人ゆうとくんにはそういうのはいないらしい。だけど、それでなにか困ることがあるかと言えば特になかった。大希くんと同じクラスだってこともあって、彼と親しくしてるだけで十分だったし。


ただ、他の子には、沙奈子と大希くんが付き合ってるらしいと噂されてたりするみたいだ。その所為か、


「山下さんって、山仁やまひとくんと付き合ってんの?」


みたいに聞いてくる女子もいたって。どうやら大希くんのことが気になってて、それで沙奈子が彼と親しくしてるから聞いたらしい。でも当然、


「違うよ。友達」


と、淡々と応えてたんだって。それなのに大希くんと付き合ってるっていう噂は消えなくて。


しかも、結人くんや一真かずまくんとも親しくしてるから、『三股してる』みたいなことを言ってる人もいるみたいで。


だけど、沙奈子が学校で一番親しくしてるのは、結局、千早ちはやちゃんなんだ。クラスが別だから大希くんや一真くんとの方が一緒にいることが多いってだけでしかない。


そして千早ちゃんは、沙奈子が大希くんや結人くんや一真くんと付き合ってるみたいな話が出るたびに、


「バーロー!。沙奈は私んだ!。他の奴にやるか!。ヒロにも結人にも一真にもやらん!」


って言ってくれるって。だからか、噂はなくならないけど話が拗れることもなくて。


大希くんのことが気になってるらしい女子も、沙奈子のことをそこまで目の敵にしないでいてくれてると。そういうの、沙奈子だけじゃ上手く対処できなかっただろうけど、千早ちゃんがいてくれて本当に良かった。千早ちゃんはコミュニケーション能力がすごく高くて相手の話にもちゃんと耳を傾けた上で、違うことは違う、よくないことはよくないことってはっきり言ってくれるからそれがすごく大きいみたいだね。


相手の話にちゃんと耳を傾けないのは、『コミュニケーション能力が高い』とは言わないと僕も感じてる。いくら陽気で気軽に話し掛けることができても、相手の話を聞かずに一方的に押し付けてくるのは『コミュニケーション』じゃないはずなんだ。


沙奈子は決して自分から話し掛けたりっていうのは得意じゃないけど、相手の話にはちゃんと耳を傾けるからね。そして、必要なことについては言葉にもできる。コミュニケーション能力そのものはちゃんと備わってるはずなんだよ。



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