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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千二百九十一 SANA編 「成長の証そのもの」

十月五日。水曜日。曇り。




玲緒奈れおなは今日も元気だ。そしてやっぱり『僕で』遊んでくれる。仕事中も、


「ぶるるる、どるるる!」


お気に入りの自動車の玩具を僕の背中で走らせて遊んでる。それがまたちょうどマッサージみたいで気持ちいい。それから、


「パパっ!。パパっ!」


言いながら抱き着いてくると、僕に構ってほしがってるサインだから、


「なんだよ~?。お父さんはお仕事中なんだよ~!」


って、決して怒ってる感じじゃなくて、だけどリアクションは大きめに、手をわしゃわしゃさせつつ玲緒奈の方に向き直る。そしたら彼女は、


「きゃ~っ♡」


嬉しそうに声を上げながら逃げて、ドーンと壁に体当たり。そのまま壁を掴んでぐいぐいと動かそうとする。彼女も体も大きくなってきたからか、段ボールを何枚も重ねて厚さ五センチ以上になった壁も大きくたわむ。まだまだ破れたり倒れたりってことはなさそうに見えるけど、そう遠くないうちに破壊さえされそうな印象もし始めた。


要らない段ボールを使った臨時の壁だから壊されてもまったく惜しくないにしても、僕がいない間に壊されて彼女が脱走したらちょっと困るな。


トンネルの方はそれこそ壁よりも薄かったからかあちこち破れてきて、そのたびに布テープで補修して、ついでに可愛らしい動物とかの絵が描かれたカレンダーの要らなくなった部分を貼り付けたりしてたら、かなりもうカオスな見た目になってきてたりする。


「きゃ~っ♡ きゃ~っ♡」


僕に構ってもらえたのが嬉しいのか、玲緒奈は歓声を上げながらトンネルに入って、どたどたどたと振動させながらトンネルの中を行ったり来たり。そんな彼女が通るたびにトンネル自体が大きく揺れる。しかも、「ビリッ!。バリッ!」とあちこちから音が。玲緒奈の体が大きくなったから、中から圧力がかかってるんだ。すごいなあ。


だけどそれ自体、玲緒奈の成長の証そのものだと感じる。だからいくらでも壊してくれて構わない。壊れるたびに直せばいい。『ものを大事にする』とかも、もう少ししてからでないと理解できないだろうしね。


それに玲緒奈は、お気に入りの自動車の玩具を大事にしてくれてるし、僕や絵里奈のパソコンについても勝手に触りにきたりはしない。彼女に触ってもらって大丈夫なように、古いパソコンも用意してあるのに、僕の真似をしてかキーボードを少しカチャカチャしたりやマウスを動かすだけですぐ飽きるみたいで、思ったほどいじられてなかった。やっぱり自動車の玩具の方が楽しいらしい。



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