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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千二百八十八 SANA編 「子供に子供の」

十月二日。日曜日。晴れ。




今日、玲緒奈れおなに、ホットケーキの欠片を、それこそ僕の親指の先くらいの大きさの欠片を食べてもらった。絵里奈が作ったものだ。沙奈子たちが作ったもので万が一にも何かあったら、きっと気にするからね。何より、こういう『責任』は親が負うべきことだと思う。少なくとも子供に負わせることじゃないと思うんだ。だから玲緒奈の誕生日ケーキも、千早ちはやちゃんに作ってもらうんじゃなくて絵里奈が作ったんだし。


そして実際、玲緒奈は湿疹が出て小児科に行く羽目になった。これがもし千早ちゃんが作ったものだったら、彼女はすごく気にしてた気がする。


「うわ~、私も気を付けなくちゃ。別に結婚するつもりないけど」


って言ってたし。


だから僕たちは、子供に子供の世話をさせるつもりはない。沙奈子や玲緒奈がもし将来結婚して子供ができたとしてその育て方に不安があったとしたら、力になるよ。ただ同時に、僕たちが沙奈子や玲緒奈を育てた時点での『常識』が、特に医学的な部分での常識が変わってたりするかもしれないから、そこについては気を付けないといけないとも思うかな。実際、親世代が常識だと思ってたことやその当時には判明してなかったことが分かってきたのにそれを無視して自分たちが常識だと思ってたやり方を押し付けようとして反発される迷惑がられるなんてこともよく起こってるそうだし。


昔はそれこそ、『母親が嚙み砕いたものを離乳食として子供に与えてた』なんてことがあったそうだけど、それが虫歯やピロリ菌伝染の原因の一つってことが分かってきたりしてるし。もっとも、『母親が嚙み砕いたものを離乳食として』というのは、僕の両親がまだ子供だった頃にはもう廃れてたのか。ただ、『親が口に入れたスプーンとかをそのまま子供にも使う』みたいなことはされていたみたいだね。


これについて山仁やまひとさんは、


「私も、虫歯やピロリ菌を感染させたら申し訳ないと思って、決して自分が口を付けたものを一弧いちこ大希ひろきにはそのまま使いませんでした。そのおかげか、私は虫歯が酷かったんですが、一弧も大希もほとんど虫歯の経験がないんです」


って言ってたな。それももしかしたら『たまたま』かもしれなくても、なにもわざわざ僕が口を付けたものを玲緒奈に使わせる必要もないし、一切、使わないようにしてるんだ。完全に分けてる。


誕生日の時にはつい、玲緒奈が落としそうになったケーキをキャッチしてそのまま食べさせてしまったけど、ちゃんと手は洗ってたしたぶん大丈夫だとは思いつつ、もしそれで玲緒奈が虫歯になったりしたら申し訳ないなと思ったりもするかな。気にし過ぎないようにはしてるけど。


幸い今回は、湿疹とか出なかった。量が少なかったから?。



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