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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千二百八十 SANA編 「勉強するわけでも」

九月二十四日。土曜日。晴れ。




今回は沙奈子たちも土曜授業がないから、三連休だ。ただ、緊急事態宣言が出てることもあって水族館は休館してて、今日は一日『人生部の活動』をすることになる。厨房の清掃と消毒を終わらせると自主勉強して、それが終わると今度は昼食の用意をして。


沙奈子たちが厨房でそうしてる間に、二階のミニキッチンでは絵里奈が、沙奈子たちが作ってる『カルボナーラ』に似せた玲緒奈れおな用の『カルボナーラ風のパスタ』を用意してた。玲緒奈が僕たちと同じものを食べたがるからね。ちゃんと僕たちが食べることになるカルボナーラそっくりに作るんだ。牛乳の代わりにフォローアップミルクを使って。


僕たちがまだ玲緒奈に普通の食事をさせていないことについて『気にし過ぎだ!』みたいなことを言う人もいると思うけど、だけど僕たちは別に、


『玲緒奈に普通の食事をさせたくない』


と思ってるわけじゃないんだ。あくまで用心してるだけで。しかも絵里奈は、玲緒奈が『自分だけ違うのを食べさせられてる』と感じないように、みんなが食べてるのとそっくりに工夫して作ってくれてた。うどんも、食べやすいように短く切ってあったけど、この時はそれに近付けるために逆に僕たちが食べるうどんの方を短く切ったりもしてた。


それからすると今回の『カルボナーラ風パスタ』は、確かに普通のパスタとして見たら、乾燥パスタを半分に折って茹でてるから短いのは確かでも、あくまで『玲緒奈サイズ』ということなだけで、かなり近いものになってきてるんだよ。


味だって、『普通のカルボナーラに比べると甘いかな』って感じなだけで、大人だって食べられないものでもない。カルボナーラだと思って食べようとすると『なんだこれ!?』って思うかもしれないだけで。『これはこういうものだ』と思えばそんな変な料理でもない。


玲緒奈の相手をしてるのは主に僕でも、こうやって食事に関しては絵里奈がほとんどしてくれてる。あくまでそれぞれ得意分野で分担してるだけだ。


親は、勉強するわけでも修行とかするわけでもなくなるものだ。何か決まったやり方を誰かから教わるわけでもない。本とかネットには『知識』が記されてるけど、それが本当に自分の子供に当てはまるかどうかは、親が自らの責任において確かめていくしかないんだよ。誰かが責任を取ってくれるわけでもない。ましてや無責任に好き勝手なことを言ってくる他者なんて、何かあっても責任なんか取ろうとしないよね?。そんな事件もあったよね?。散々口出ししておいて大変なことになったら『自分には責任はない』と裁判で主張してるのとか。


玲緒奈のことで責任を負うことになるのは僕と絵里奈なんだよ。それをわきまえてるだけなんだ。



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