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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千二百七十七 SANA編 「どう対処するか」

九月二十一日。水曜日。晴れ。




『SANA』の本社の方はすっかり最適化されてかなり仕事がしやすくなったそうだ。


「正直、よくここで仕事してたなと思います」


絵里奈は苦笑いだ。確かに、ここで仕事してた時は、気分は楽だったし安心もできてたんだろうけど、『機能的か?』って言われると疑問符しか付かなかっただろうな。


実際、商品管理もバーコードでするようになった上に、スペースに余裕があるから、在庫と注文済みの商品と発送準備のできた商品をきっちり分けておけて、一目で分かるようになったとのこと。


「ここまで大きなミスがなかったのはもはや奇跡だね」


在庫と商品発送の管理を担当してる玲那も、本当に実感のこもった表情で肩をすくめる。


ミスがないように神経を張り詰めていたからこそ、『自宅を兼ねてる』という安心感が頼りになったみたいだ。そうじゃないとストレスが大変だったかもしれない。


「だけど、楽になったからって油断したらとんでもないミスをしそうだから、初心を忘れないようにしなくちゃって思ってる。なんて言ったらフラグっぽく聞こえるかもだけど、それをフラグにしないためにも確認は怠らないようにしなくちゃって思うんだ」


玲那のその言葉に、


「うん、そうだね」


絵里奈もしみじみ頷く。


確かに、漫然と仕事をしていて、しなきゃいけない確認を怠って、大変なことになったっていう話は、枚挙に暇もない。しかもそれで子供の命が犠牲になったとかいう話を聞くと、本当にやるせない。大人が自分を甘やかした結果がそれなんだと思うと、怒りさえ湧いてくる。そんな大人が偉そうにしてるのが、怒りを通り越して情けなくさえある。


だけど僕は、そういう大人を責めるだけでは問題は解決しないと感じてる。大事なのは『自分はそんな大人の駄目なところを反面教師として活かすことを心掛けなくちゃ』と考えることだと思うんだ。そして『思ってる』だけじゃだめだ。しっかりと『実践』しないと。思ってるだけだったらそんなの『絵に描いた餅』以下のただの妄想でしかないよ。


『イジメはよくない』とかいう話でも、ただそう思ってるだけだったら漫画やアニメやドラマや映画の中の話を見て怒ってるだけなのと変わらない。具体的に自分自身がどう対処するかっていうのを考えて実践しなくちゃ。


だから絵里奈も、『職場イジメ』みたいなものが起こらないようにしなくちゃいけないと考えてくれてる。今はそれこそ気心も知れた人だけで運営されてるから大丈夫でも、将来、従業員が増えてくると分からないからね。



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― 新着の感想 ―
[一言] そうですねぇ すでに仕事を外注に出している時点で イロイロな人間関係問題は外注会社に丸投げしているわけですけど、いずれ 「雇ってください問題」 「思ったように仕事をしてくれない問題」 「その…
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