表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
2276/2601

二千二百七十六 SANA編 「僕で遊んで」

九月二十日。火曜日。曇り。




来週月曜日は、いよいよ玲緒奈れおなの二歳の誕生日。体もすっかり大きくなって、しっかり歩けるようになってきて、言葉もかなりはっきり話すようになってきて、


「パパ!」


「ママ!」


「れいちゃ!」


「さなちゃ!」


僕たちのことをそう呼ぶようになってた。『れいちゃ』『さなちゃ』というのは、『玲那お姉ちゃん』『沙奈子お姉ちゃん』の略かもしれないけど、実際のところは玲緒奈にしか分からないかな。もしかしたら単に『玲那ちゃん』『沙奈子ちゃん』ってことかもしれないし。そこまで論理的に具体的に説明できるところまではまだまだいってない。


だけど、単語はかなり意味が分かって使ってる気はする。


「ごはん!。ちょうだい!」


「ジューシュ!。ちょうだい!」


と、意図が伝わる使い方をしてるんだ。


ちなみに玲緒奈の今の好物は、果汁百パーセントのアップルジュース。『ジューシュ』と言えばアップルジュースのことなんだ。あと、リンゴそのものをすりおろしたのも好きかな。


実は玲緒奈にはここまで、リンゴやモモやバナナといった果物系以外は、基本的に離乳食かそれに近いものしか与えてなかった。いろいろなものが『一歳過ぎたら』とか『一歳半くらいから』とか言われてるけど、アレルギーとかも心配だというのもあって、慎重の上に慎重を期して臨んだんだ。保育園とかに通わせる場合はいろいろ食べられたほうがいいのかもしれないけど、僕たちはここまで保育園には通わせなかった。


市の認可保育園が抽選だったからというのもある。認可外なら入れるところもあったみたいだけど、イチコさんと大希ひろきくんが通ってたという認可外保育園は少人数というのもあってそこに入れればと思ったんだけど、残念ながら園長先生が高齢になったこともあって廃業してしまったらしい。個人経営のところだったからね。後継者もいなかったようで。


だから、僕が在宅仕事だってこともあって、三歳くらいまでは粘ろうということにしたんだ。


玲緒奈は、『僕で』遊んでたらご機嫌でいてくれるし、僕が疲れて横になってても、勝手に僕で遊んでてくれる。横になったまま手で、


「うりゃりゃりゃりゃ~♡」


って感じで相手をしてるだけでも、


「うけけけけけけ♡」


と大喜びだ。


そうしてると、今度は僕の上に乗ってきて、


「ふんば!。ふんば!」


とか掛け声を発しながらどすんどすんと体を弾ませる。馬にでも乗ってる感じなのかな。それがどうかは分からないにしても、玲緒奈自身が楽しめてるならいいと思う。この子を一方的にこの世に送り出した僕で遊んで満足してくれるなら、何よりだよ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ