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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千二百六十三 SANA編 「部活はこれで」

九月七日。水曜日。曇り。




沙奈子たちの学校で文化祭が行われて、昨日帰ってきた時にはみんな、いつもよりテンションが高い感じだった。


しかも帰ってきてからもまた、


「今日はエプロンドレスで部活しようぜ!」


千早ちはやちゃんが言い出して、


「うん」


「いいね!」


沙奈子と篠原さんも快諾して、エプロンドレスに着替えてた。その上で厨房に入ってたから、何とも言えない感じになってたけど。だってうちの厨房は、中華料理屋だった時のそれを、クリーニングしてコンロと冷蔵庫とかを交換したくらいで他は大きく改装せずに使ってるから、なんて言うか、こう、『エプロンドレスを着た女性が作業してるキッチン』という印象じゃないから。


だけどそれはあくまで『他の人が見た時にちぐはぐな光景だと思われてしまうかも』というだけの話だから、僕たちの間だけならなんの問題もない。


そして、夕食のための仕込みが終わってそれぞれの席に着いて、文化祭の時の写真とかをみんなで見て。


その中で千早ちゃんが、


「でもさ~、クラスの男子にさ、『え?、お前、女だったの!?』とか言われたんだよね~。失礼な!。私は制服はスラックスだけど別にトランスジェンダーとかってわけじゃないっての。スカートが嫌いってだけ。でも、こういう感じは嫌いじゃない」


エプロンドレスのスカート部分を持ち上げながら言った。すると結人ゆうとくんが、


「見えてる!。見えてるぞ!」


『下着が見えてる』と声を上げた。沙奈子は平然としてたけど、篠原さんは困ったように苦笑い。だけど千早ちゃんは、


「は?。パンツじゃねーし。体操服の短パンだし」


って言いながらさらにスカート部分を持ち上げて。


「そういう問題じゃないと思う」


「千早らしいっちゃらしいけどよ」


大希ひろきくんと一真かずまくんが呆れ気味に。


でも、うん。僕はこういう雰囲気、嫌いじゃない。なんだか微笑ましくて。


実は沙奈子も篠原さんも、体操服の上にエプロンドレスを着てたそうだ。というのも、


「仮装する時は下着とかが見えないようにすること」


という指示があったそうで。短いスカートを穿く子もいるからだって。


かと思うと、段ボールで作った『金閣寺』や『銀閣寺』、『京都タワー』、さらには三人一組で『京都駅』の仮装をしてる子もいたりで、なんだかんだと盛り上がったって。騒げないからこそ逆にそういう部分で力を入れたというのもあるのかもね。一真くんの『ハンター』姿の写真もすごい迫力があってサマになってた。


今日も、帰ってきたからまたエプロンドレスに着替えて、


「当分、部活はこれでしよーぜ!」


千早ちゃんの提案に、


「いいよ」


「やろーやろー!」


沙奈子と篠原さんもノリノリで。



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