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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千二百五十九 SANA編 「百年単位の時間を」

九月三日。土曜日。曇り。




今日は土曜日だけど、沙奈子たちは土曜授業があるから午前中は学校に行ってる。


一方、秋嶋あきしまさんは、仕事には復帰できたもののなかなか体調が戻らなくて苦労してるそうだ。


『今までと同じように仕事ができないからいたたまれなくて……』


そんなメッセージが届いて、玲那は、


『でもそれはあっきーの所為じゃないじゃん。気にしなきゃいいんだよ』


とは返したものの、


「気にするなって言ってもやっぱ気になるよね」


悲しそうに言った。だから絵里奈は、


「うちも、もし従業員で感染した人が出て、後遺症が残った時のことを考えないといけないね……」


と口にする。その辺りについて星谷ひかりたにさんとしっかり話し合っておかないとと思ったそうだ。


僕の今の勤め先だと、在宅仕事も選べるから、自分の体調に合わせて働き方も調整しやすい気はするけど、これからはそういうのも求められていくんだろうな。


ただその一方で、在宅仕事ができる仕事はいいけど、店頭での接客仕事や工場でのライン作業はそうはいかないし、その辺りについても考えなきゃいけないんだろうな。


これについて星谷さんは、


「そういう点からも、ロボットが求められるようになっていくと私は考えています。正直申し上げて今の技術では到底、接客などにはとても使えないのも事実ではありつつ、百年後を考えると十分に可能性はあると思うのです。これは、玲那さんの声を取り戻すための研究の延長線上にあるものです。そのための基礎研究の重要性を私は実感しています」


とのことだった。すると玲那も、


「まあね。接客ロボットも、ちょっと話題になったこともあったけど、正直なところ企画倒れだったかな~ってのが否めない印象かな。性能的にパソコンやスマホ程度を作れるくらいのじゃ、まだまだ接客ロボットは厳しいってのは私も思うよ。イラストを描くAIなんかも随分と進歩したらしいとはいえ、対面で人間とコミュニケーションをとるってのは、そんなのとは次元が違うだろうしさ」


しみじみと。


確かに僕たちが生きてる間には、漫画やアニメや映画に出てくるような、人間とほとんど変わらないやり取りができるロボットなんていうのは無理なんだろうなと感じるにしても、百年単位の時間を考えればもしかしたらというのはあるかなとも思える。


そうなってくると、人間が過重労働という形でこなしていた部分とかも任せられるようになるのかな。『人間の仕事を奪う』って形じゃなくて、『過重労働分を負担してくれる』ってなったらいいな。



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