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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千二百四十七 SANA編 「感染者」

八月二十二日。月曜日。晴れ。




星谷ひかりたにさんの別荘は今、


『新型コロナウイルス感染症に罹患した人の療養所』


として開放されてるそうだ。と言っても、さすがに自分とゆかりのある人たちに対してではあるけど。


療養所については、玲那のアニメ仲間の一人である木咲きざきさんが務める民宿も名乗りを上げようとしたものの、さすがに市内中心部の人の多いところという立地では、周囲からの反対もあり、ダメだったらしい。実は現状、『持続化補助金』を受けつつ何とか持ちこたえている状態だって。当然、そういうところも出てくるよね。


そしてついに、僕たちにとって本当に身近な人に感染者が。


秋嶋あきしまさんだった。秋嶋さんが『新型コロナウイルス感染症』に罹患したことが分かったんだ。さすがに不安になったのか、玲那が送ったメッセージに、


『新型コロナ罹りました。自宅軟禁中です』


って返信があって。


『え?。マジ?。症状は?。入院しなくて大丈夫?』


問い掛ける玲那に彼は、


『熱は三十九度八分まで上がりました。今は解熱剤で少し下がってます。だけど、頭も痛いし喉も痛いし体中痛くて、インフルエンザよりぜんぜんキツイ……。怖いです……。俺、このまま死ぬのかな……』


って返してきて。


自宅療養ってことは『軽症』って判断なんだろうけど、それでもインフルエンザよりもきついのか……。しかも、


「看病しにも行けないじゃん!」


玲那が言うとおり、迂闊に接触はできないからね。一人暮らしだったこともあって、そのまま自宅療養に。


しかも間の悪いことに、星谷さんの別荘も今、療養者で埋まってる状態だった。そっちなら、看護師経験者と医師が交代で入ってくれてて、病院に入院してるのとほとんど同等のケアが受けられるらしいのに。


でも、必要なサポートは『看病』だけじゃない。彼が一切部屋を出なくても療養を続けられるようにサポートするのだって立派な助けだ。


『何が欲しい?。何が要る?』


玲那が尋ねると、


『ヨーグルトかプリンか。あと、喉が痛いから上手く食べられなくて、アメみたいなのならなんとか。水も残り少ないし、トイレットペーパーもティッシュも足りないかも……』


とのことだった。


『おっしゃ!。任せろ!。物資は必ず届けてやる!。諦めんな!』


玲那がそう返信すると、


『ごめんなさい……。俺……。玲那さんのことずっと無視してたのに……』


って。


だけど玲那はそんな彼に対しても、


『何言ってんだよ!。自分の好きなものに殉じるのが私らだろ!。でも、ガチで本当に命の心配が出てきたら弱気になって当たり前じゃん!。気にすんな!』


励ましたんだ。



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― 新着の感想 ―
[良い点] す [一言] ゼリーのヤツが良いですよ 氷を舐めるように言ってください 友人はポカリを凍らせて舐めていました ひとくちアイスなんてのも良いかと思います パルスオキシメーターがあれば、 不…
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