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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千二百三十八 SANA編 「親の育て方こそが」

八月十三日。土曜日。雨のち曇り。




今日もまた、沙奈子たちはハイヤーで水族館に行ってる。篠原さんを除いてだけど。


塾やいくつもの習い事を掛け持ちしてることが彼女にとってどんなメリットを生むのか、正直言って僕には分からない。分からないけれど、だからと言って『何のメリットもない』ということも証明はできないから、口出しはできないんだ。もし、篠原さん自身が、


『もう塾も習い事も行きたくない!』


と言い出して、それで両親と衝突してってなったりした時には彼女を支えてあげたいとは思いつつ。


でもその場合には、『塾や習い事を辞めた所為で駄目になった』と言われないようにサポートしなくちゃいけないなとも思ってる。勉強については沙奈子たちもすっかり自分なりの勉強法みたいなものを見付け出すことができてしっかりと結果を出せてるし、加えて今は一真かずまくんや琴美ことみちゃんの勉強も見てあげて実際に勉強も捗ってるという実績もあるから、そっちについては大丈夫だと感じる。


ただ、習い事については、それと同等以上の何かを形として提供できるかと言われれば、分からない。分からないけど、少なくとも『人生部』で活動を続けられれば、とても大切な人間関係を作り上げることができると思うんだ。たぶん、今後の人生にも影響するくらいの。


だけどそれが果たして『習い事で身に付くもの』と交換するのに値するのか?と言われると、立証は難しいな。


確実にプラスにはなると思いつつ、比較対象にするには具体的な『形』として提示できるものじゃないのも事実だし。


沙奈子にとっても、千早ちはやちゃんにとっても、大希ひろきくんにとっても、結人ゆうとくんにとっても、今のこの活動はすごく有意義なものになってると実感してる。してるのに、その実感を分かりやすい数値とかとして提示できないのがもどかしい。


世の中には、


『親の育て方でどんな人間に育つか決まるわけじゃない』


とか言ってる人がいるけど、それについても実は明確にその証拠を出せるようなことじゃないよね?。なのに、何を根拠にそんなことを言ってるの?。僕は沙奈子を育ててきて、玲緒奈を育てて、千早ちゃんを見て大希くんを見て結人くんを見て、星谷ひかりたにさんを見て、イチコさんを見て、波多野さんを見て、田上たのうえさんを見て、


『親の育て方こそがその人の人間性の大部分を作り上げるんだな』


って改めて実感してるけどな。自分が親になって実際に子供を育ててるからこそそれを実感させられたけどな。『親の育て方でどんな人間に育つか決まるわけじゃない』と言ってる人は、具体的にどんな根拠があるの?。ましてや自分が子供を育てたこともないのなら、そんな実感も得られないと思うんだけどな。


ただ単に、自分が責任を負いたくないからそう言ってるだけにしか見えないよ。



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