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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千二百三十六 SANA編 「僕を頼ってほしい」

八月十一日。木曜日。晴れ。




『自分の選択に自分自身で責任を負う』


その覚悟があれば、別にカルト宗教に頼る必要もないと思うんだけどな。結局、自分の責任を自分で負いたくないから、そういうものに逃げるんだよね?。


『信仰』は別にいいと思うんだ。もともと、釈迦やイエスが説いた内容も、本来は、人間が人間としてこの世界で生きていくにあたってどうすればいいのか?ってことを伝えようとしてくれていたんだろうしさ。あくまでそういう部分を自分が生きていく上で指針として大事にしようっていうことなら、結構なことだと思うんだ。


でも、だからって他の誰かを騙したり脅したり攻撃したりお金を要求するために利用するのはおかしいと思うし、何よりそれを強要するというのがおかしいと思う。


自分の人生には結局自分が責任を負うしかないんだ。誰かが責任を負ってくれるわけじゃない。沙奈子や玲緒奈れおなのことも、僕の庇護下にいる間は、僕の責任において守らなきゃと思ってる。沙奈子や玲緒奈を育てる決断をしたのは他の誰でもない僕だし、僕自身の決断に責任を負うのはあくまで僕の『矜持』の問題だ。


その一方で、沙奈子や玲緒奈が、自分で自分の生き方を決めてそして自分の責任においてそれを選択するというのなら、僕はそれを尊重する。尊重した上で、助けが必要なら力になりたいと思ってる。それは僕が生きている限りは決して終わらない。なくならない。だって、


『僕の選択が沙奈子をこの世にとどまらせたし、僕の選択が玲緒奈をこの世に送り出した』


わけだからね。それは、沙奈子や玲緒奈が自立したってなかったことになるわけじゃないよ。そして人生には、自分の力だけじゃどうにもならないことだっていくつもあったりする。その時に、僕以外の誰かが沙奈子や玲緒奈の力になってくれて僕が手を貸す必要がなかったらそれはそれでいいにしても、必ずしもそういう誰かを見付けられるわけじゃないしね。


僕が沙奈子や絵里奈や玲那や山仁やまひとさんや星谷ひかりたにさんや鷲崎わしざきさんに出逢えたのはあくまでたまたまで、僕が探し出したわけじゃないんだ。自分がそうしてたまたま出逢えた人たちの力を借りて生きてられるのに、沙奈子や玲緒奈に、


『自分一人の力だけで生きてみせろ』


なんて言えないよ。もちろん、自分の力で生きていけるようにたくさんのことを学ばせてあげたいとは思ってるけど、それ自体、なんでも自分の思い通りに行くわけじゃないからね。


そして、カルト宗教に頼るくらいなら、僕を頼ってほしい。


僕は沙奈子や玲緒奈の親だから。僕が親になることを選択したんだから。



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