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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
2206/2601

二千二百六 SANA編 「困らない程度に」

七月十二日。火曜日。曇りのち雨。




一時の暑さはいくらか和らいだものの暑いことには変わりないから、変わらず熱中症とか夏バテに用心して無理をしないようにする。エアコンは使いつつ冷やし過ぎないようにするというのもその一つだね。室温は二十八度くらいに設定した上で扇風機で部屋の空気をかき回しつつ風を作ることで体感温度を下げるんだ。


後は睡眠をしっかりとって食事もしっかりととる。そのおかげか、僕たちはここ数年、夏バテとも無縁だった。『食欲がない』みたいなことがないんだ。健康であることも幸せを実感できる大事な要素だから、いいと思う。


それと、毎日を楽しく過ごすというのも重要なんじゃないかな。他の人からすると僕がこうして毎日毎日あれこれ考え続けてるのを『疲れないか?』と感じるかもしれないけど、僕にとってはむしろ、


『物事を深く考えずにその場の感情任せに生きる』


ことの方がよっぽど疲れそうに感じるけどな。行き当たりばったりでしょっちゅう小さな騒動を起こしてなんて、どこが楽なのか楽しいのかまったく理解できないんだよ。平穏でいられることの方がずっと無駄な体力も精神力も消費せずに済むんじゃないの?。


その辺りも人それぞれかもしれないから、余計な口出しはしないつもりではありつつ、少なくとも山下家では、平穏であることが何よりなんだ。ああでも、玲緒奈れおなは今のところ、感情のまま生きてるのかな。


でも、だからこそ、思うんだ。大人になってまで感情のままで生きるって、それって成長してるって言えるの?。本質は玲緒奈と同じ赤ん坊のままってことじゃないのかな。感情のままで生きてるような大人を見てると、


『歳を取って体だけ大きくなった赤ん坊』


にしか思えないんだけどな。もしかして、それで『あれこれ考えるのは疲れる』ってこと?。


確かに玲緒奈に難しいことを考えさせようとすると途端に不機嫌になるし。今も『幼児教育』は続けてるけど、今は『絵描き歌』を中心に絵里奈が頑張ってるけど、連続では一時間もやってられないんだ。玲緒奈の集中力が続かないから。


だけど、それでいいと思う。それ以上は絵里奈の方も大変だと思うし、玲緒奈がやる気ないのに無理しても、苛々するだけだろうしさ。たった一時間足らずでも毎日続けることが大事なんじゃないかな。僕たちは別に天才を育てたいわけじゃない。今の沙奈子たちみたいに、学校の勉強で困らない程度に、躓かない程度にできるようになってくれればそれでいいはずなんだ。


それだけでも学校でのストレスがすごく減るから。



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