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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
2204/2601

二千二百四 SANA編 「それが立証されて」

七月十日。日曜日。曇り。




金曜日に大変な事件があったけれど、僕達は敢えて普段通りに過ごした。何かあった時にだけ騒ぐというのも、違う気がするから。


『心掛け』というのは、普段から持っておくべきことだと思うから。


もちろん、僕たち自身にとってほんの身近なことであったなら冷静ではいられないにしても、『世間で起こったこと』というのは、『他山の石』として活かすべきではあっても、僕たちが狼狽えて何か問題が解決するようなことじゃないしね。


だから沙奈子たちはやっぱり水族館に行ってきてた。ハイヤーで。


一真かずまくんが、


「いいのかな。こんなことしてて」


と言ったのを、千早ちはやちゃんが、


「だからって私らがおたおたしたってどうにもなんないじゃん。『気に入らない相手だから殺す』とか有り得ないってのをちゃんと分かってればいいだけだと思う。私だって『私の人生を無茶苦茶にされた』って話だったら、うちの母親やお姉ちゃんらのこと、許してないしさ。一真も、お父さんとお母さんのことは許せないと思うけど、だからって無茶すんなよ。そんなことしたら、こうやって一緒にいられなくなるからさ。琴美ことみちゃんとだって引き離されるっしょ?。そうなったら守れないじゃんよ」


諭してくれてた。彼女の言う通りだと思う。一真くんと琴美ちゃんにとっては両親は許せない存在かもしれない。でも、だからって事件を起こせばそれこそ琴美ちゃんがもっとずっと苦しむことになるんじゃないかな。


それじゃ駄目だと思うんだ。


ましてや、自分が恨んでる相手とは関係ない人を巻き添えになんて、許されることじゃない。恨みに囚われるというのはそういうことのはずなんだ。


『復讐を果たすことで区切りを付けられる』


とか言ってる人もいるみたいだけど、そのために無関係な人を犠牲にしていいわけないよね?。そんなことをしたら今度は自分が『仇』ってことになるよ?。


今回の事件でもまさしくそれが立証されてしまう形になるのかもしれないな……。


なんか、直接恨んでる相手ってわけじゃなかったらしいし。


そんな中、投票に行ってきた。僕と絵里奈と玲那の三人で、玲緒奈れおなを連れて朝のうちに。政治の話は僕は基本的にしない。僕個人が思ってることはあっても、それは、僕が勝手にそう思ってるだけだから。そして迂闊にそれを話せば誰かに干渉を受けて捻じ曲げられたりする可能性があるから。特に、ネットとかに上げればきっと絡んでくる人もいるしね。政治については僕には正確な情報を手に入れる手段がない。だから完全にその時点での僕自身の主観に頼るしかないから、他の人の主観で左右されるのは嫌なんだ。



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