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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千九十三 役童編 「それはマジでおかしいと」

三月二十一日。月曜日。晴れ。




一人の子を同級生が八人がかりで殴る蹴るという行為を『ポピュラーな遊び』と称していたという件について、結人ゆうとくんが特に反応してた。


「俺もまあ、似たようなことをされたことがあるしな」


って。鷲崎わしざきさんからも聞かされたことがあるそれは、結人くんが小学校の二年生の時、遠足当日にそのことを知った鷲崎さんが慌てて作ってくれた『おにぎりしか入ってないお弁当』を、同級生たちに馬鹿にされたことで怒った結人くんに対して何人もの同級生が寄ってたかって殴る蹴るってしたことがあったというものだった。確かに状況が少し似てる気がする。


「まあ、そん時には俺も、そいつらの一人の靴に食らい付いてやったけどよ、その八人で一人を殴る蹴るっていう件でもやった方は『自分らも殴られたり蹴られたりした』とかホザいてるらしいけどよ、反撃くらいするのは当たり前じゃねーか。それとも、八人がかりでフクロにしてきてんのに黙ってやられてろってのか?。なんだそりゃ。それそこ加害者にばっかり都合のいい理屈じゃねーかよ。ふざけんのも大概にしろよ」


って言ってた。


確かに、『八人で一人を殴る蹴るっていう件』については、本当に詳しい状況とか現場を知らない僕たちや結人くんには分からないからあまり迂闊なことは言えないとしても、少なくとも結人くん自身が何人もの同級生から殴る蹴るってされたことについては結人くん自身が当事者だから、そのことで彼が語るのは当然の権利だと思う。


「俺は自分がやられたことを『イジメ』というつもりはねーけどよ。でも、一人を何人もでボコって怪我させたんだから、そりゃ間違いなく『傷害事件』だよな?。けどよ、そん時に俺がいた学校は、俺に謝罪させようとしたんだぜ?。『弁当を貶されたくらいでキレるのが悪い!』ってよ。はあ?。おデブがせっかく作ってくれた弁当を貶されても怒るなって、そんなこと言われて納得できるかよ!?。しかもそれで俺がキレたら何人もでって、なんでそんな卑怯もんが許されんだよ?。正気とは思えねえな!」


と、声は荒げてないけど明らかに怒ってる感じで彼は言ったんだ。それに対して千早ちはやちゃんが、


「だよな~。それはマジでおかしいと私も思う」


だって。


結人くんはその件で転校することになったんだけど、転校した先でも暴力的な生徒がいて、結果的にまた喧嘩になって大怪我をして、最終的に沙奈子が通ってた小学校に転校することになったんだ。確かに修学旅行の時に中学生に絡まれて喧嘩になったりもしたらしいものの、その時だって彼は自分より弱い相手には喧嘩を仕掛けてなかったんだよ。ましてや何人もで一人をなんて。



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