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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千四十六 役童編 「気持ちを逆に蔑ろにする」

二月二日。水曜日。晴れ。




大人はえてして、物事を雑に適当に手間を掛けずに楽して片付けようとする傾向にあると思う。特に自分の日常的な身の回りの問題については。


だけどそれが結果として後々さらに大きな面倒として返ってくることってあるんじゃないのかな?。雑に適当に手間を掛けずに楽して片付けようとしたことが。そういうの、本当に心当たりないのかな。自分がそんな風にして雑に対処したことが後から返ってきたのなら、それは『自分の所為』だよね?。誰かの所為にするのはおかしいよね?。自分が雑に適当に手間を掛けずに楽してあしらったことを他の誰かがちゃんと対処してくれるとか期待してたんなら、自分の所為以外の何だって言うんだろう?。


イチコさんや大希ひろきくんを見てて思うけど、二人には『反抗期』ってものがなかったと思う。山仁やまひとさんに反抗してる気配がまったくなかった。今の大希くんの状態が『反抗期』だと言うのならそうだとしても、でも大希くん、家で山仁さんにすごく甘えてるらしいんだよ。レスリングみたいにして力比べを挑みかかったりしてるそうなんだ。それも、イチコさんが見てても『楽しそう』って感じるくらい、笑顔で。


それって、『反抗期の男の子の態度』なのかな?。イチコさんの言う通り『甘えてるだけ』だと思うんだけどな。


大希くん、山仁さんのことが大好きなんだよ。この世界で一番、大好きなんだと思う。星谷ひかりたにさんに対してはそんな形で甘えないし。星谷さんが女性だからってわけでもないのは、イチコさんに対しても力比べを挑んだりすることがあるのから感じる。大希くんは星谷さんをまだ異性として意識してないのははっきりと分かるんだ。これは、絵里奈も玲那も沙奈子も千早ちはやちゃんも結人ゆうとくんも波多野さんも田上たのうえさんも同意見。誰の目にも大希くんにとって星谷さんは『異性』として見えてないのが分かる。特に男性が女性を見る時のそれに一番詳しい玲那でさえ、大希くんが星谷さんを見る時の視線にそういうのが一切見えないって。


だから、星谷さんが女性だから遠慮してるんじゃなくて、『甘えられる相手という認識じゃない』んだって。


そういう意味でも、千早ちゃんが言ってた、


『今のピカえじゃ、逆にヒロをダメにしそうな気がする』


というのが染みてくる。今の星谷さんだと、大希くんを『甘えさせる』ことができなくて、『甘やかして』しまうのかもしれない。『甘えさせる』のは大事でも、『甘やかす』のは違うんだろうな。それは大希くん自身の、『自分自身が許せない』という気持ちを逆に蔑ろにする形になる気がする。



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