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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
1983/2601

千九百八十三 玲緒奈編 「ばお、どうるあああ!!」

十二月一日。水曜日。晴れ。


いよいよ今年もあと一ヶ月か……。




世の中には、他所の人の選択に対して好き勝手なことを言ってる人が本当に多い。


たぶん、他の人から見たら僕もそう見えるんだろうけどね。だけど本人の選択や振る舞いそのものにケチをつけるつもりはないんだ。僕がしたいのは、僕自身がそういう選択や振る舞いをしたら自分に何が返ってくるのかを考えたいだけ。


自分を律するための見本にしたいだけなんだよ。決して僕の考えを押し付けたいわけじゃない。


見ず知らずの相手を罵ることがやめられない、『罵ることがやめられないという甘え』を棚に上げて他所様を『甘えてる』と言うのが本当にどうかしてるって感じるんだ。


僕ももちろん甘えることはある。でもだからこそ『甘えるな』と面と向かって言うのは筋違いだと感じてる。自分の甘えを棚に上げて他所様に『甘えるな』と言う行いが沙奈子や玲緒奈れおな目にはどう映るかを考えたいだけなんだ。


ましてや、もし僕が沙奈子や玲緒奈れおなの前で絵里奈のことを悪く言ってたら、沙奈子や玲緒奈からはどう見えるかな?。絵里奈はすごくダメな母親ってことになってしまわないかな。もしくは逆に、僕のことが、『大好きなママに酷いことをいう嫌な人』っていう風に見えるんじゃないかな。だとしたら、子供の目から見ても、『ダメな親』だったり『酷い親』だったりってことにならないかな。


そういうことを考えたくない、自分の気持ちばかりを優先したいという『甘え』をやめられない人が偉そうなことを言ってたら自分はどう感じるかというのを考えた時、自分の子供がどう感じるかっていうのも想像できる気がするんだけどな。


なぜか自分は他の人のやってることに憤るのに、他人がやってたら憤ることを自分がする分には許されると思ってるんだ。だからイジメもできるんだと思う。


それをおかしいと思うから、じゃあ自分はどうすればいいのかなって思うだけ。


「うべおー!、ばお、どうるあああ!!」


なんて叫びながらウォール・リビング内を縦横無尽に進撃しまくる玲緒奈れおなを見てれば余計に思うんだ。今の彼女は本当に身勝手で自分のことしか考えてなくて我儘放題。だけど大人でも、他人に厳しいことを言いながら本人は我儘放題好き放題って人がいるよね。自分は他の誰かを罵ってるのに他の誰かが自分を悪く言うことは許さない。今の玲緒奈とまるで変わらないことを大人になってもやってる人。


そういう人の中にも、『自分は厳しく躾けられた』とか言ってるのもいる。すごく違和感しかないんだ。



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