千九百八十二 玲緒奈編 「風邪を含めた感染症全般」
十一月三十日。火曜日。曇り。
冷静になって最近の自分を振り返ると、なんだか厳しいことばかり考えてる気がする。だけど、世の中のあれこれを基にして考えたらそうなるのか。
なんか嫌な事件も多いからね。しかも、『新型コロナウイルス感染症』の件で、社会そのものが鬱屈した空気になってきてるみたいだし。ティッシュもトイレットペーパーもマスクも、すっかり普通に流通してるようにはなったけど、外出する際には必ずマスクを着用して、店に入る時にはアルコールで消毒して、みたいに言われるのが嫌な人もすごく多いみたいだ。
僕は割とそういうの気にしないし、千早ちゃんや結人くんでさえ「めんどくせー!」とは言いながら素直に従ってくれてる。
『コロナはただの風邪!!』
だと言い張ってる人もいるらしいけど、それを言ってる人は別に専門家でもなんでもないし、医師でさえ言ってる人もいるらしいけど、医師というのは、別に『研究者』じゃないよね?。
『医学的にエビデンスを得られた知識と医師免許を持っている人』
というだけで、本人が何か新しいことについて研究してるとは限らないんだよね?。『中には研究をしてる人もいる』というだけで。だとしたら、研究してるわけじゃないなら、新しいウイルスについては何も知らない分からないよね?。『医師の言ってることだから』でそのまま鵜呑みにするのはなんか違う気がするんだけどな。
結局、研究が進んでその結果として分かってきたことしか分からないんじゃないのかな。ましてや自分じゃ何も研究してない人に何が分かるっていうんだろう?。
『新型コロナウイルス感染症』は風邪の一種なんだとしても、『今までの風邪とは違う風邪』という印象しかないんだけどな。
元々、『風邪は万病の元』と言われるくらいに油断しちゃいけないものだったんじゃなかったかな。それを『ただの風邪だから気にしないでいい』というのもおかしいと思うんだけどな。
むしろ今まで『風邪を含めた感染症全般』を軽んじてたっていう点を改めて考えるにはいいきっかけになったんじゃないのかな。だからインフルエンザもすごく減ったみたいだし。これまでずっとインフルエンザでもたくさんの人が亡くなってたんだよね?。それが減ったのなら喜ばしいことなんじゃないの?。それとも、感染症で亡くなる人が減ったら困る人でもいるのかな。
僕は、自分の家族や親しい人がそんな形で亡くなるのは嫌だ。だから気を付ける。それだけの話なんだけどな。




