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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
1980/2601

千九百八十 玲緒奈編 「本当に大人は何をやって」

十一月二十八日。日曜日。晴れ。




今度はディスカウントストアの屋上からカートを落とした中学生の女の子が殺人未遂容疑で逮捕されたというニュースが。


しかも、『当たったら死んでしまうのは分かっててやった』と供述してるって。だから『殺人未遂容疑で逮捕』なのか……。


三階にいる千早ちはやちゃんたちもネットでこのニュースを見て話題にしてたのが、僕のヘッドセットに届いてくる。


「この前の事件は中三で私たちと同じ歳だけど、今度は中二だって。いっこ下だよ?。もうムチャクチャだよ」


千早ちゃんはそう言いつつ、


「でもさ、私のお姉ちゃんは小学校の時にイジメをやって、被害者の子がキレてカッターを振り回してそれでお姉ちゃんの友達だった人が、顔に大きな怪我をしたんだ。たぶん、一生消えない傷だって……。その事件も、当時は大きな騒ぎになったらしい。なのにいまだにこんなことがある。あの当時に騒いでた連中はなにしてたんだよ?。なんか対策したのかよ?。まあ、私らが通ってた小学校とか今の学校とかはまだちゃんとしようとしてくれてるみたいだから、やってる大人はやってるんだろうけど、なんにもしてない大人も多いってことだよな。


だからさ。私がもし子供できたらイジメなんかさせないって思うんだ。私が沙奈をイジメた時のこと考えたら、母親が私を学校に行かせないようにしてたら沙奈をイジメようもなかったのが分かるし、私は自分の子供がイジメなんかしてるって分かったら学校になんか行かせないよ。だってそうだろ?。被害者の子がイジメられないように学校来なくなってるのに加害者がのうのうと学校行ってるとかおかしいじゃん。加害者の方こそ学校行かせちゃおかしいじゃん。だから私は行かせない」


とも、熱く語ってた。それに対して大希ひろきくんが、


「でも、千早の場合はそのまま学校来てたよね。だから僕とも沙奈とも結果的に仲良くなれたんだと思うけど?」


と冷静なツッコミを。だけど千早ちゃんは、「ぐ……!」と言葉を詰まらせつつも、


「それは、学校の先生や小父さんやピカえがちゃんとしてくれたからであって、もしそういうのがなかったら、加害者を学校に行かせないのが一番確実じゃん!」


って返した。


千早ちゃんたちだってこうやって真剣に考えてるのに、本当に大人は何をやってるんだろう……。ただ、僕も、もし沙奈子や玲緒奈れおなが学校で誰かをイジメてたら、学校には行かせないと思う。学校には行かせずに、どうしてイジメなんてことをせずにいられなかったのかを、じっくり話し合おうと思う。僕や絵里奈や玲那が不平不満とかについて耳を傾けてるのにそれでもってことなら、どうすればそれを回避できたのか、徹底的に話し合わなきゃいけないと思うんだ。



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