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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
1971/2601

千九百七十一 玲緒奈編 「ボロクソ言われるよね」

十一月十九日。金曜日。晴れ。




昨日も波多野さんは仕事が休みで、自宅からビデオ通話で沙奈子たちと一緒に過ごした。そこで千早ちはやちゃんと話し合う。


「最近、ヤケを起こした人の事件が増えてる感じだけど、結局、うちのバカ兄貴のも結局はそれなんだよね。自分の人生も何もかもどうでもよくなってもろとも破滅しようってことでやらかしたんだ。あいつの狙いは結局、私たちなんだよ。私たちを破滅させたいんだ」


「だよね。だから世間が加害者の家族だからってカナぇらのことを攻撃すればするほど思う壺だってのに、それを理解しようともしない。要するに自分が一方的に叩ける相手を叩きたいだけだってのがそれでもうモロバレじゃん」


「ホントそれ。バカ兄貴のことをボロクソ叩きたいのは私も同じなんだよ。だけどそれをしたら『加害者の家族が被害者面すんな!』って言われる。マジできつい」


「どんだけ自分勝手なんだって話だよね」


そう言う二人に大希ひろきくんは、


「だから僕のお父さんは、そんな風に人を攻撃しないで済むようにしてくれたんだよ。学校とかで嫌なことがあってもお父さんに相談したらちゃんと聞いてくれたんだ。だから千早のことがあっても何とかなった。まあ、築山に隠れちゃったりはしたけど、そんくらいは勘弁してほしいな」


だって。千早ちゃんが沙奈子にキツく当たって、それを大希くんが庇おうとしたら千早ちゃんが感情的になってっていう一連のことだった。


「う~……。そのことはマジで申し訳ないと思ってる。でも、そうなんだよな。小父さんがヒロのことをちゃんと受け止めてくれてたから、決定的にぶっ壊れなかったんだよ。今もこうしてられるのは小父さんのおかげなんだ。小父さんとこでヒロや沙奈と一緒にいるようになってそれがマジ分かった。私のお父さんやお母さんとは全然違う。なんでこんなに違うのか不思議なくらいだよ。そりゃ小父さんの方が年上だけど、それにしたって違いすぎ。同じ人間かよって思う」


「そこまで言われるとなんか変な気分だけど、確かに違うんだろうなって思う。腹立つことあってもお父さんが八つ当たりさせてくれるし」


「その『八つ当たりさせてくれる』ってのがもう違うっての。うちの母親なんかそんなことしたら発狂するよ。『親を何だと思ってんだ!!』って。なんだと思ってるって、私を勝手に生んどいてそれでブチ切れてるだけのヒスババアってだけじゃん。看護師やってなかったらそれこそどうしようもないクズだよ」


「ははは……」


「ま、『クズババア』なんて普通の大人の前で言ったらボロクソ言われるよね、だけど私の母親も、息子のしでかしたことから自分だけ逃げだして雲隠れだもん。別方向にクソババアだって思うよ」



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