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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
1966/2601

千九百六十六 玲緒奈編 「自分の選択が自分に返ってくる」

十一月十四日。日曜日。晴れ。




いよいよ自分で歩き始めた玲緒奈れおなの姿を見るからこそ、僕は、


『親としてどうあるべきか?』


を考える。この子はますます、僕たちが何をしているのかを理解してくるだろうな。僕たちが誰かを傷付けようとしていたらそれが『誰かを傷付けようとしている行為』だと理解していくだろうし、『狡いこと』をしようとしていたらそれが『狡いこと』だと理解していくだろうし、親が『誰かを傷付け』『狡いこと』を正当化してるなら、子供も『そういうもの』だと学んでいくとしか思わない。


誰かを平気で傷付けられる子供は、親がそうやって『誰かを傷付け』『狡いこと』をしてたのを見てきたんだろうなとしか思わないんだ。


千早ちはやちゃんがそんなことをしなくなっていったのは、しないように心掛けるようになっていったのは、山仁やまひとさんやイチコさんや大希ひろきくんの姿を見てたからだろうな。


それと合わせて、『誰かを傷付け』て『狡いこと』をして自分の憂さを晴らさなくてもよくなっていったからっていうのもあると思う。


不平不満があれば、山仁さんやイチコさんや大希くんや星谷ひかりたにさんの前で素直に口にできて発散できるようになったからだと思う。それでいて、千早ちゃんが乱暴なことを口にした時に後押しするようなことは言わないからだと思うんだ。それによって、『誰かを傷付けることで憂さを晴らす』行為を正当化しない。


しかも、不平不満に耳を傾けるだけじゃなく、それを聞いた上で、


『じゃあ具体的にどうそれを解決していけばいいかな』


ってことを一緒に考えてもらえるからだとすごく感じる。


『努力』って言葉を口にする人は、それをしてるの?。


『子供の不平不満に耳を傾け、でもそれを無責任に煽ることをせず、同時に具体的な解決策を一緒になって考えるという努力』


を、やってるの?。


『そんな面倒臭いことしてられるか!』


とか言って努力を放棄してたりしない?。


そんな風に努力を放棄してるような人がいくら『努力すれば何とでもなる』とか言ったって、なんの説得力もないと思うけどな。


僕はそう思うから、まず自分がその努力をしてみせようと思うんだ。


だけどその一方で、僕一人じゃ年収八百万には全然届かないから、それに届かせることができる努力はできてないから、『努力』って言葉で誰かを殴ろうとは思わないんだ。他所の家庭に対しても直接口出しするつもりもない。


あくまで、『自分のやったことは結局は自分に返ってくるんだ』と自覚した方がいいよね。って思うだけ。自分の選択が自分に返ってくるのは当然だと覚悟した方がいいよね。って思うだけ。



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