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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
1951/2601

千九百五十一 玲緒奈編 「僕の真似をしてれば」

十月三十日。土曜日。晴れ。




今日は久しぶりに、沙奈子たちが水族館に行く。まだデザインのアイデアには余裕はあるけど、他にすることもないしね。


そして、自転車でみんなで向かう。玲那を先頭に、ちゃんと交通ルールを意識して。『早く着くこと』じゃなく、『安全に確実に着くこと』を最優先にして。


そうやって交通ルールを守ろうとすることを馬鹿にする人もいるだろうけど、交通ルールも無視して、自分や周りの人たちを危険に曝して、それで十分や十五分早く着けたらかって、それが何の自慢になるの?。自分の身勝手で事故のリスクを増やして他人を危険に曝すんだよ?。そんな風にして、


『ルールに縛られない自分、格好いい!!』


だなんて、ただ迷惑なだけだと思うんだけどな。僕は自分の子供にそんな人になってほしいとは思わない。『ルールに縛られない自分、格好いい!!』って自己満足のために周りを危険に曝すような人にね。


スマホを見ながら自転車を運転して突っ込んでくる人とか、歩道を猛スピードで奔り抜ける人とか、夜にライトも点けないで闇の中から突然現れる人とか。


なのに、自分が交通ルールを無視してることを指摘したら逆ギレする人になんの道理があるって言うの?。何一つ尊敬なんかできないよ。ましてや親がそんなことをしてて子供に何を偉そうに言えるのか、まったく分からない。


僕は、そんな親にはなりたくないんだ。たとえ完璧な親にはなれなくても、自分の『甘え』を正当化したくはないと思う。ルールの方が現実に則してなくて間違っていると思うのなら、そのルールを現実に則したものに変える努力をするべきだよね?。『努力すればどんなことでも実現できる』なんて大言壮語を吐くんだったら。


なのに実際には、文句を言うだけでルールを変えるための行動は起こさない。


僕だってルールを変えるために行動するなんてことはできてないから、だから沙奈子や玲緒奈れおなに対して偉そうにしないでおこうと思うんだ。偉そうにするんじゃなくて、人としてまっとうな振る舞いをできるように、手本になりたいだけ。僕の真似をしてれば、家族や周りの人たちを労わってることになる振る舞いをできるようにしたいだけ。


そうすれば、学校でも教師に対して無駄に反抗的にならなくて済むし、他の生徒をイジメなくて済むと思うんだ。


ただの『偉そうな人』よりも、『ルールに縛られない自分、格好いい!!』ってやってる人よりも、『他者を労われる人』の方が僕はずっと立派だと思う。



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