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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
1928/2601

千九百二十八 玲緒奈編 「もうあと半年後には」

十月七日。木曜日。晴れ。




火曜日は玲緒奈れおなの『伝い歩き記念日』になって、そして昨日、沙奈子が修学旅行から帰ってきた。


最終日の様子ももちろんHPにアップされてて、昨日の夜、玲緒奈が寝てからみんなで見ると、ハウステンボスを満喫してる生徒たちの姿が。


「サニー号っていう船も乗ってきた」


だって。


「うお~!。いいなあ!。私もいつかは乗ってみたいと思ってるんだよね~」


玲那がテンション高く体をくねらせながらスマホを操作して言う。確かに、玲緒奈がもうちょっと大きくなって、『新型コロナウイルス感染症』が収まってたら、行ってもいいかもしれない。でもまあその前に、水族館デビューと、距離的にはやっぱりUSJが先かな。僕は正直、あんまり興味はないけど、やっぱり子供にとっては思い出になるかもだし。ただ、思い出ってからには、本人がなんとなくでも覚えてられる時期以降じゃないと、意味がない気もする。


今の時点で行ったらそれこそ玲緒奈は覚えてられないだろうから、単に大人が楽しむだけになってしまうよね。沙奈子は、


千早ちはやとヒロと結人ゆうとが一緒だったから楽しかったけど、もういいかな……」


とのことだったから、うん。『沙奈子のため』という意味じゃ、行っても疲れさせるだけか。


イベントとか行楽に出かけるのとかについても、親はついつい『子供のため』って考えがちだけど、本人が望んでないそれはどうなのかなって正直思う。


だから、玲緒奈が成長して、それで『行きたい!』って言ってくれたらでいい気がする。そういうのがよく分からないうちに連れて行ってそれでぐずって他の人にまで迷惑掛けたら、せっかく楽しい思い出にと考えてても、台無しになってしまうだろうし。


それでも、千早ちゃんと大希ひろきくんは楽しめたみたいで、『佐世保バーガー』や『悪魔の実ケーキ』を笑顔で食べてる時の姿の写真が。沙奈子と結人くんも一緒だったんだけど、二人は逆にちょっと疲れたような表情で写ってたな。


こういうところでも、何が楽しめて何が楽しめないかは人それぞれだっていうのが分かる気がするんだ。


『みんなが楽しんでるんだからお前らも楽しそうにしろ!』


っていう、いわゆる同調圧力?を押し付けてこない千早ちゃんと大希くんには感謝感謝だよ。だからこそ、沙奈子もそれなりには楽しめたんだと思う。


ただ、さすがに疲れたみたいで、一通りHPの写真を見たら、力尽きるみたいにして眠ってしまったけど。




そして今日は、午前十時半までに登校だったから、朝はちょっとゆっくりしてた。


これで、中学での大きな学校行事はほとんど終わったかな。中学生活ももうあと半年を切った。そうだよ。もうあと半年後には、沙奈子も高校生だ。受験がすんなりいけばだけど。



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