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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
1910/2601

千九百十 玲緒奈編 「振る舞いが招いてる」

九月十九日。日曜日。曇り。




絵里奈の叔父さんは、『新型コロナウイルス感染症』の影響を大きく感じてる人の一人だった。それまで子供をよく預けに来た人が、感染を心配して預けに来なくなったりした一方で、それまで預けていた保育園や幼稚園が臨時閉園になったなどの理由で一時保育をお願いしに来る人が多かったって。


そういう意味でも影響は出てるんだろうな。そんな中でも、僕たちが挨拶に伺えてないことについても、


「すべてが落ち着いてからでいいよ。僕は好きでやってたんだ。返してもらう義理も恩もない」


と笑顔で言ってくれる。そういう人だからこそ、絵里奈も逆に恩を感じてるんだ。ただ、直接挨拶に行けるのは、確かに『新型コロナウイルス感染症』が完全に終息してからだろうな。


山仁やまひとさんや絵里奈の叔父さんのように『手本』になってくれる人が周りにいてくれたことも、僕にとっては幸運だった。それがなかったら、こんなに上手くいってなかったと思う。


でも同時に、山仁さんや絵里奈の叔父さんのような人たちに力になってもらえたのは、僕たちが結局、


『力になってもいい』


と思ってもらえる人間でいることを心掛けてたからだという気もする。ここで僕たちが、誰かに対して罵ったり蔑んだり貶したり理不尽な態度を取ったり横暴だったり暴力をふるったりっていう人間じゃなかったことでそう思ってもらえたというのも間違いなくあったはずなんだよ。


これもまた、『情けは人の為ならず』ってことなんだとすごく感じる。『努力』って、こういう形というか方向にもするべきなんだろうなっていうのをすごく感じるんだ。


星谷ひかりたにさんだって、僕たちが千早ちはやちゃんや大希ひろきくんに対して横柄な態度を取ったりしないからこそ、こんなにも力になってくれてるし、千早ちゃんや大希くんのことを任せてくれてるんだ。


僕たち自身が、星谷さんにとって『利用してもいいと思える相手』になってるってことなんじゃないかな。彼女は、僕たちなんかよりずっと合理的な捉え方ができる人だと思う。その彼女に認めてもらえることがなにより大きい気がするんだよ。


千早ちゃんや大希くんを預けておいて大丈夫って思ってもらえてるんじゃないかって気がしてる。


ネットとかで有名になった人でも、いろんな人に大きな迷惑を掛けて、それどころか事件にまでなって、玲那と同じく執行猶予はもらったのに仕事をしても上手くいかずっていう人もいるみたいだね。それも結局、誰かを傷付けようと被害を与えようと損害を与えようとしてたっていう振る舞いが招いてるんじゃないかな。


僕は、沙奈子や玲緒奈れおなにそんな風にはなってもらいたくないよ。


昨日も、水族館への行き帰りにちゃんと交通ルールを守る努力をしてもらったけど、結局はそれだからね。



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