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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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千九百 玲緒奈編 「マジで頭おかしいから」

九月九日。木曜日。雨のち曇り。




今日、バイトが休みの波多野さんが、ビデオ通話で言ってた。


「なんか最近『親ガチャ』って言葉が取り沙汰されてるんですけど、それで言ったらうちなんかそれこそ『大ハズレ』ですよね。だって、娘が兄の性犯罪の被害について訴えてるのに耳も貸さないで放置してそれでとうとうまったく無関係な女性が被害に遭って、で、そんな息子を放置してた両親は被害者面して引きこもるは逃げて行方くらますはで、自分の責任とも向き合おうとしない。


私はもうそんな両親は当てにしてませんけど、みんながいてくれるから何とかなってますけど、余裕で『ハズレガチャ』でしょ」


すると今度は田上たのうえさんが、


「それは私も共感しかない。父親はまあただ不器用なだけって言えなくもないですけど、母親は間違いなく『ハズレ』ですよ。『親ガチャなんて言葉を使う奴は自分の努力が足りないのを親の所為にしてるだけだ!』とか言うのもいますけど、あのね、今現在進行形でそのハズレ親に足を引っ張られ続けてるのがいるんですけど?。『大学まで行かせてもらっておいて文句言うな』とか、『親のお金を当てにしたくないから貸与型奨学金を利用して自分で返していこう』としてる娘に『そんなみっともないことすんな!』って罵るような親のどこに恩を感じたらいいんですか?」


って、こちらもヒートアップ。さらには玲那も、


「うちに至ってはそれこそガチ犯罪者だかんね。小学生の娘に売春やらせるようなマジモンだし。しかも、そんな親とは縁を切って自分で頑張って幸せになろうとしてても間違いなく絡んできて無茶苦茶にするタイプ。正直、二人とも死んでてくれて心底ホッとしてる。でもね、『私の両親と比べて他のはマシ』とか言いたくはないんだよ。カナやフミだって苦しんでるのは見てれば分かる。


何かと比較して『お前はまだマシだろ』とか頭ごなしに言う人は一ミリも信用できない。そういう人は自分が間違ってても『〇〇に比べたらマシだから自分は間違ってない!』って平気で言うからね。実際、私のお客にもそういうのいたよ。『女の子にイタズラするような奴もいるけど、自分はこうやってちゃんと対価を払ってるからね。こういうのを『誠実』って言うんだよ』って、小学生の女の子に汚いもん突っ込みながらホザいてたのがマジでいたからね。しかもそいつ、『レイナちゃんはちゃんとお金貰えてるから幸せだね』とか言ってんの。いや、マジで頭おかしいから」


それらの話は、無線の小型ヘッドセットを通して聞いてたから玲緒奈れおなには聞こえてないけど、今は聞かせられないけど、この子が大きくなったら、こういう現実があるということを教えていかないといけないと思うんだ。



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